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小美屋 : ウィキペディア日本語版
小美屋[こみや]
小美屋(こみや)とは、かつて神奈川県川崎市川崎区にあった日本の百貨店JR川崎駅京急電鉄京急川崎駅近くに存在していた。現在、東北地方で展開しているさくら野百貨店のルーツの一つにあたる。
== 概要 ==
1871年(明治4年)に地元川崎の旧家である小宮家の12代目である小宮隆太郎が小土呂村(現・川崎市川崎区小川町)に小宮呉服店を開いたのが始まりである。
川崎市が市制を施行する頃には、この小美屋呉服店は小川町の本店の他に東二丁目に支店を構える川崎市内有数の呉服店に成長した〔『川崎市史 通史編 4 下 現代 産業.経済』 川崎市、1997年。〕。
1927年(昭和2年)11月には川崎駅前の砂子〔に鉄筋コンクリート造4階建ての川崎では初めての百貨店を開いたが、東京横浜市の百貨店との競合や地元大手工場の従業員で構成された消費組合(現在の生活協同組合)などとの競合しながら営業をすることになった。
また、1935年(昭和10年)5月5日に京浜デパート川崎分店が京浜電気鉄道本社跡に開店したは川崎駅前の要所を抑えて当店を含む地元の既存商店には死活問題であるとして反対運動を繰り広げ、1936年(昭和11年)1月末日に閉店に追い込み、その跡地を買収することに成功した〔『日本小売業運動史 第1巻 戦前編』 公開経営指導協会、1983年3月。〕。
第二次世界大戦の空襲で火を被った旧店舗を1951年(昭和26年)6月に川崎市へ売却し〔〔『川崎市史 通史編 4 下 現代 産業.経済』 川崎市、1997年。〕、1951年(昭和26年)6月には駅前広場角地の〔京浜デパート川崎分店の跡地である〔川崎市川崎区駅前本町(現在の川崎DICEの場所)に鉄筋コンクリート3階建て新店舗を建設して営業し〔、1955年(昭和30年)川崎駅前に進出して1963年(昭和38年)に増床して百貨店となった岡田屋〔や1956年(昭和31年)4月3日に横須賀市から進出したさいか屋という競合店が誕生するまでは市内で事実上唯一の百貨店となっていた〔
その後複数回増築を重ねて売上を拡大し、1962年(昭和37年)には伊勢丹と提携して〔、さいか屋や岡田屋と並んで川崎を代表する百貨店の一つとして繁栄し、地元では「こみや」「小美屋デパート」の名称で親しまれた。
1976年(昭和51年)にニチイ(後のマイカル)から68%の出資を受けて傘下に入り〔、1978年(昭和53年)3月にニチイの支援を受けて丸光カネ長武田百貨店山田百貨店イチムラと共に株式会社百貨店連合を設立した〔ダックビブレ 第24期有価証券報告書 (Report). ダックビブレ. (2002年).〕。
その後、1982年(昭和57年)3月に丸光(本社仙台市、資本金8億円)と合併して株式会社丸光小美屋を設立した〔。
そして、株式会社丸光小美屋は〔1981年(昭和56年)3月に武田百貨店とやまだ百貨店、イチムラの3社が先行して合併していた株式会社武田山田百貨店と共に株式会社百貨店連合と合併し〔、法人名から小美屋が消えることになった。
しかし、1986年(昭和61年)10月1日に開業した川崎駅東口地下街アゼリアは新基準による規制で地下街と接続するビルにコンクリートの障壁で遮蔽することを要求されたことで店舗との接続が不可能となり〔、当店を含む商店街への回遊性が制限されることになったため〔、競合他店に比べて川崎駅からの来店経路の面で不利な立地となった〔。
こうした立地条件などが影響して〔売り上げ不振となって赤字に転落した〔。
さらに、1988年(昭和63年)3月11日川崎駅に隣接する三菱電線工業跡に川崎ルフロンが誕生し〔〔、そこに東京資本の西武百貨店丸井が進出して競争が激化したことなども影響して、1996年(平成8年)に閉店し〔、その歴史を閉じた。
建物は数年後に解体された。現在、跡地はTOHOシネマズ川崎などが入店する川崎DICEとなっている〔。
晩年は休業と再開を繰り返していた。加藤英之助という中興の祖がいたが退社後、東京の新興百貨店の川崎進出に対抗できず、閉店に追い込まれる大きな要因となった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「小美屋」の詳細全文を読む



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