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小翼は、「短翼」、「スタブ翼」(スタブ・ウイング)( 造りかけの、英俗:やり残しの)の別名で知られ、過去においては重航空機中の固定翼機にも散見されたが、ヘリコプターが実用利用の水準に到達した1950年代以降は、軍用機としての回転翼航空機に多く見られる、機体左右に張り出した短翼であり、軍用機の構成要素の1つ。 また、ミサイルやロケット弾の飛行姿勢を安定させる、あるいは飛行姿勢を変化・制御するための固定式や可動式の「フィン」()の訳語としても小翼が用いられている〔#航空機搭載兵器 p.168〕。 == 概要 == 揚力を発生することを第一の目的とせず、兵装や、追加の電子装置(各種センサー)、航続距離を延長する増槽を、パイロンを介して懸吊するために設計・設置される。 このため、民間機にはほとんど見られない。 揚力を得ることを主目的とした翼と異なり、その成立目的上、当初より充分な強度を持ち、電子装置の中継端末や燃料移送のための配管などが設置されている。 近年では回転翼航空機の場合でも、短翼に「空力整形されたハードポイント」としての機能だけでなく、操縦翼面としての機能を備え、積極的に揚力を生み出す翼平面形を持つ場合も増えてきたため、。 固定翼機の場合は、文字通り翼が固定されているため、胴体下(稀に胴体上)だけではなく、翼下(稀に翼上)に、重量物を吊り下げるための支柱であるパイロンを取り付け、「ハードポイント」(重量強化点、場所)を設定し、この箇所にエンジン、ミサイル、爆弾、増槽などを搭載可能であるが、回転翼航空機では主回転翼(メインローター)の特性と構造上、当然ながらこの手法を採ることができない。 このため、軍用機としての回転翼航空機の設計に際しては、用兵側の兵装搭載量の要求を満たすためのハードポイントを設定するために、短翼を装備することが多く見られる。 これらの短翼については、必要の無い場合は取り外しが可能な機種もあるが、固定翼として造り付けのものが大半である。 ただし、 シコルスキー S-72(Sikorsky S-72)のように主翼といえる程の大きさのものは停止飛翔(ホバリング)を阻害し、ヘリコプター本来の利点を相殺してしまうなど問題も多い。 また、固定翼については、前進時に揚力を発生し主回転翼(メインローター)の負担を軽減し、前進力を増加させる目的で操縦翼面として補助翼(エルロン)や、昇降舵(ラダー)、昇降舵(エレベーター)を備えるものもある一方、回転翼航空機の特性上、スポイラーや高揚力装置(フラップ)は必要が無いので設置されないが、戦闘機動時の積極的活用を目的として前縁フラップを装備したAH-64 アパッチのような例もある。 一方で、固定翼機にこのような設計が施されることは、単翼機を「複葉機」(正確には「一翼半」)とすることになり、余分な空気抵抗や不要な重量の増加など無駄が大きくなるので滅多に設計を企図されないが、水陸両用飛行艇など波の飛沫を避けるために高翼・肩翼配置を採らざるを得ない場合や、農業機などで農薬散布のタンクを翼下に搭載する為、搭載農薬タンクと地面間における必要な間隔を保つ為に高翼・肩翼配置を採用し、かつ上記翼配置時において簡易・低価格化を目的として固定脚を選択する場合に単純な方法で降着装置を設置、或いは引き込み脚を格納するためにこの手法を採用する場合がある(トランスアヴィア PL-12 エアトラックなど)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「小翼」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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