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展延性[てんえんせい]
展延性(てんえんせい、英:ductility)とは、固体の物質の力学的特性(塑性)の一種で、素材が破断せずに柔軟に変形する限界を示す。展延性は延性 (ductility) と展性 (malleability) に分けられる。英語の "ductility" は展延性と延性の両方の意味で使われる。 物質科学において、延性は特に物質に引っ張る力を加えた際の変形する能力を指し、針金状に延ばせる能力で表されることが多い。一方展性は圧縮する力を加えた際の変形する能力を指し、鍛造や圧延で薄いシート状に成形できる能力で表されることが多い。そのため展性を可鍛性(かたんせい)とも呼ぶ。 延性と展性は必ずしも正の相関があるとは言えない。例えば金は延性も展性も高いが、鉛は展性のみが高く引っ張る力には弱い〔。 == 科学的分野毎の意味 ==
=== 地質学 === 地球科学において、脆性-塑性転移帯 (brittle-ductile transition zone) とは大陸地殻では地下約15kmの深さにある部分を指し、それより深い部分では岩石が脆性(もろさ)よりも塑性(展延性)を示すようになる。氷河の氷では、この転移帯が約30mほどの深さにある。この転移帯より上の岩石や氷が延性を示すこともあるし、この転移帯より下の物質が脆性を示すこともあり、完全に特性が切り換わるというわけではない。この転移帯が存在するのは、深さと共に物質にかかる圧力が増していくため、圧縮されることで脆性破壊をもたらすのに要する力が増大していき、温度が高くなることで変形するのに要する力が小さくなっていくためである。この2つの力が逆転するのが「脆性-塑性転移帯(転移点とも)」である。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「展延性」の詳細全文を読む
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