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シリア属州[しりあぞくしゅう]
シリア属州()は、紀元前1世紀にシリア地方に設立されたローマ帝国の属州。紀元前64年にグナエウス・ポンペイウスがセレウコス朝を倒してローマに編入した。ローマ帝国および東ローマ帝国が7世紀の間にわたり支配していたが、637年にイスラム帝国に征服された。なお、ラテン語の原音表記による「シュリア属州」とも称される。 == 領域と経済 == その領域は現在のシリアを中心にトルコ南東部、レバノンに広がる。北にはカッパドキアとキリキア、南にはユダヤとアラビア・ペトラエアの各属州があり、トラヤヌス帝のパルティア遠征により115年頃にアルメニア属州やメソポタミア属州が東に設立された。東には強国パルティアがあったため、国境警備のため属州内にはローマ軍団が3つも置かれていた軍事上の要地である。 シリアは東西交易や農業で栄え、多くの大都市を抱える、ローマ帝国内でも有数の豊かな属州であった。シリア属州の総督は、大きさや重要性の点でローマ帝国の中でも屈指の大都会アンティオキアに本拠を置き、パルティアとの国境地帯の要塞や軍団をにらんでいた。主要な産物は穀物、オリーブとオリーブ・オイル、ワイン、レバノンスギなどの木材、木造の船や木製家具、染織物、ガラス製品、陶器、羊皮紙、象牙で飾った細工物などで、特にスギなどの木材、紫色の染織物、ガラス製品などはフェニキア時代からの特産品であった。さらにシルクロードの終点であり、中国から運ばれる絹やインドから運ばれる香辛料など高価なものの多くがシリアを通じてローマに入った。内陸にはアパメア、アンティオキア、ベロエア(アレッポ)、エピファニア、エメサ、ダマスカス、パルミラなどの交易都市や農業都市があり、地中海岸にはラオディキア、シドン、ティールなどの港湾都市があった。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「シリア属州」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Syria (Roman province) 」があります。
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