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山崎豊子 : ウィキペディア日本語版
山崎豊子[やまさき とよこ]

山崎 豊子(やまさき とよこ、1924年大正13年)1月2日 - 2013年平成25年)9月29日)は、日本の小説家。本名、杉本 豊子(すぎもと とよこ)。
== 経歴 ==
大阪府大阪市南区(現在の中央区船場出身。実家は老舗昆布屋の小倉屋山本1937年(昭和12年)、旧制大阪市芦池尋常小学校(現在の大阪市立南小学校)卒業。1941年(昭和16年)、旧制相愛女学校(現在の相愛中学校・高等学校)卒業。1944年(昭和19年)、旧制京都女子専門学校(現在の京都女子大学)国文学科卒業。
旧制女専を卒業後、毎日新聞社に入社した。大阪本社調査部を経て1945年(昭和20年)学芸部に勤務し、学芸副部長(当時)・井上靖のもとで記者としての訓練を受けた。勤務のかたわら小説を書きはじめ、1957年昭和32年)に生家の昆布屋をモデルに、親子二代の商人を主人公とした『暖簾』を刊行して作家デビュー。翌年吉本興業を創業した吉本せいをモデルにした『花のれん』により第39回直木賞受賞。新聞社を退職して作家生活に入った。
初期の作品は船場など大阪の風俗に密着した小説が多く、その頂点が足袋問屋の息子の放蕩・成長を描いた『ぼんち』であり、市川雷蔵主演により映画化された。1961年(昭和36年)『女の勲章』取材中に元同僚と結婚。1963年(昭和38年)より連載を始めた『白い巨塔』は大学病院の現実を描いた鋭い社会性で話題を呼び、田宮二郎主演で映画化されたほか、数回に亘りテレビドラマ化された。これも大阪大学医学部がモデルとなっており、大阪の風俗が作品への味付けとなっている。神戸銀行(現在の三井住友銀行)をモデルとした経済小説、『華麗なる一族』も佐分利信の主演で映画化され、さらに2度に亘りテレビドラマ化された。
その後、テーマ設定を大阪から離し、戦争の非人間性など社会問題一般に広げていった。『不毛地帯』、『二つの祖国』、『大地の子』の戦争3部作の後、日本航空社内の腐敗や日本航空123便墜落事故を扱った、『沈まぬ太陽』を発表した。
1991年平成3年)、菊池寛賞受賞。1993年(平成5年)大地の子などの印税を基に「山崎豊子文化財団」を設立し、日本に帰国した中国残留孤児の子供の学資を援助した。最近では『文藝春秋2005年(平成17年)1月号から2009年(平成21年)2月号まで西山事件をモデルとした『運命の人』を連載した。新潮社で『沈まぬ太陽』までの作品を収めた『山崎豊子全集』全23巻が刊行され、2005年(平成17年)に完結。2009年(平成21年)『運命の人』で毎日出版文化賞特別賞受賞。
『大地の子』で引退を考えたが、「芸能人には引退があるが、芸術家にはない、書きながら柩に入るのが作家だ」と新潮社斎藤十一に言われ〔『編集者斎藤十一』斎藤美和編(冬花社、2006年)参照〕、執筆活動を継続した。
2013年8月より週刊新潮にて新作「約束の海」の連載を開始していたが、第1部(20話)を書き上げた後に体調不良となり堺市内の病院に緊急入院し、2013年9月29日に呼吸不全のため死去〔山崎豊子さん死去:文化財団があいさつ文 毎日新聞 2013年10月3日〕。。葬儀は10月1日、堺市内の自宅で営まれた。故人の遺志により密葬形式が取られ、親族と出版社の関係者ら約40人が参列。著名人の姿はなかった。戒名は「松壽院慈簾翠豊大姉」〔山崎豊子さん、約40人が密葬 〕。
2015年に、旧宅で1945年1月から3月にかけて書かれた日記が見つかった。また、生年月日について1924年11月3日であるとされていたが、山崎豊子文化財団から戸籍上は同年1月2日であると発表された〔「この無惨、惨状、戦争は絶対いけない」 山崎豊子さん戦時下の日記 東京新聞夕刊 2015年7月13日〕。
2015年9月25日より追悼展「追悼 山崎豊子展 〜不屈の取材、情熱の作家人生〜」が東京日本橋髙島屋( - 10月5日まで)を皮切りに、横浜京都大阪の髙島屋各店で2016年2月まで開催される予定〔追悼 山崎豊子展 ~不屈の取材、情熱の作家人生~ 髙島屋公式サイト〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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