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岡益石堂 : ウィキペディア日本語版
岡益の石堂[おかますのいしんどう]

岡益の石堂(おかますのいしんどう)は、鳥取県鳥取市国府町岡益にある石塔。建築者・建築年代・建築目的とも不明のため、地元では謎の石堂(いしんどう)と呼ばれることもある。こ
宮内庁により「宇倍野陵墓参考地」(被葬候補者:第81代安徳天皇)として陵墓参考地に治定されている。
== 構造 ==

岡益の石堂は岡益集落にある長通寺という寺の背後の小高い丘にある。古墳の切石のような巨石を用いた巨大な石塔で、山陰地方最古の建造物と考えられている。
石堂は一辺6.6メートル、高さ1mの基壇の上に、厚さ40センチメートルの一枚岩でできた壁石6枚で側面を囲んでいる。さらに中央に高さ2m近くの心柱を立て、その上に四角形の中台石を載せ、さらに塔の笠石を重ねている。基壇や壁石は凝灰岩の精巧な切石である。
心柱はふくらみをもったエンタシスであり、中台石の裏側には忍冬渦巻蓮弁放射文様が刻まれている。このような石造物は日本には例がないが、日本最古の木造建築物である法隆寺の柱が、このエンタシスによって作られていることが知られている。さらに法隆寺の壁画にも、忍冬渦巻蓮弁放射文様が描かれている。外国では、北朝鮮の双楹塚(そうえいづか)古墳が、石堂とまったく同じ形態で作られており、中国大同の石穹(せききゅう)内にも同形の文様が刻まれている。さらに古代ギリシアの神殿がエンタシスの柱で建築され、忍冬渦巻蓮華放射文様が描かれている。新羅百済の古石塔の影響やギリシアの文化の影響まで偲ばせる謎の石塔である。
江戸時代に著された『因幡志』(安部恭庵著)に石堂の図が掲載されているが、心柱を覆うように石の厨子が描かれており、かつては石がんが存在していたと見ることもできる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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