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嵯峨本[さがぼん]
嵯峨本(さがぼん)とは、日本の近世初期に行われた古活字本である。 == 概要 == 京都嵯峨の豪商、角倉家が本阿弥光悦らの協力を得て出版を行った。角倉本、光悦本ともいわれる。 16世紀末にキリシタン版や朝鮮半島を通じて活版印刷術が伝わったことに刺激を受けて、日本でも次第に出版が盛んになってゆくが、その最初期のものの一つが嵯峨本である。当時の京都には富を蓄積した商人、五山版以来の職人、読者層が存在していたことが嵯峨本が生まれた背景である。 藤原惺窩ら儒学者とも交友を持った角倉素庵(了以の子)が出版業を思い立ち、本阿弥光悦、俵屋宗達らの協力で出版したものが嵯峨本といわれる古活字本である。17世紀の始め(慶長・元和期)に作られ、雲母刷の用紙を使ったり、装幀に意匠が凝らされた豪華本であった。 内容は古典文学が主で『伊勢物語』『徒然草』〔 NIKKEI ART REVIEW 「嵯峨本」の謎、活字を芸術にする 『日本経済新聞』 2011年3月10日付朝刊 p.33〕『方丈記』のほか、謡曲の本が残されている。なお、「源氏物語」の嵯峨本と伝えられるものは嵯峨本とするには疑問があるため「伝嵯峨本源氏物語」と呼ばれている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「嵯峨本」の詳細全文を読む
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