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川端博 : ウィキペディア日本語版
川端博[かわばた ひろし]

川端 博(かわばた ひろし、1944年5月1日 - )は、日本刑法学者明治大学名誉教授法学博士
==学説==
その学説は、違法性論について、団藤重光と同じ行為無価値論の流れをくむが、理論的には行為無価値論を徹底させ、違法性は、「行為時の事前判断」であるとし、他方で、従来の行為無価値論と異なり、義務違反性を問題にしないとの立場をとる〔上掲『刑法理論の現代的展開総論Ⅰ』96~122頁〕。
正当化事情の錯誤において、「行為時の事前判断」の見地から、その錯誤が一般人にとって回避不可能であるばあいには、行為の違法性阻却を認め(過失不法の残存も認めない。)、回避可能であるばあいには、違法性の認識を失わせる違法性の錯誤(禁止の錯誤)として扱われるべきであるとする二元的厳格責任説を提唱〔上掲『刑法総論講義(第2版)』384~385頁〕。
因果関係論においては、「相当因果関係説の危機」が指摘される中で、「行為時の事前判断」の見地から、相当性判断に高度の蓋然性を要求し、行為後の他人の構成要件該当行為による介在事情を判断基底から除外することで、折衷的相当因果関係説を維持している〔上掲『刑法総論講義(第2版)』153~155頁〕。そのため、結論的には大阪南港事件の最高裁判決に反対する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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