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州兵(しゅうへい National Guard)とは、アメリカ合衆国における軍事組織の1つ。主な任務は、アメリカ軍の予備部隊として、兵員・部隊・サービスを連邦軍に提供することと、アメリカ国内における災害救援、暴動鎮圧などの治安維持を行うことにある。州軍(しゅうぐん)、あるいは直訳で国家警備隊(こっかけいびたい)とも呼称される。 == 概要 == イギリスの常備軍を相手に非正規軍の民兵が大いに活躍したアメリカ独立戦争を始めとする歴史的経緯から、アメリカ合衆国においては、国家防衛の他に郷土防衛についても関心が高い。州兵の設置根拠は、アメリカ合衆国憲法第1条第8項の15および16節に連邦議会および州政府の民兵に関する事項が規定されており、修正第2条にも市民武装権(解釈について争いあり。連邦最高裁は正当防衛のための武装容認という判例を示した)や民兵に関する規定がある。民兵の一形態として、州兵が組織された。このため、連邦軍のみならず、郷土防衛組織についても、各州に軍事組織として州兵が設置されている。 アメリカにのみこのような組織があるのは、各州が外交権と通貨発行権を除けば一国同等に憲法を始めとする法令まで規定しているためであり、そもそもアメリカ合衆国自体も国家の連合体であると規定され、各州は連邦に“加盟”している。 州兵の任務は、アメリカ国内における災害救援、暴動鎮圧などの治安維持のほか、アメリカ軍の予備部隊としての機能を果たすことにある。州兵は、大統領の命令により、連邦軍に編入され、アメリカ軍において戦闘任務を含む各種任務を担当する。アメリカ軍にとっては、大きな予備兵力源となっており、現在の州兵はこの予備兵力としての意義が最も大きなものとなっている。 組織面において州兵は、陸軍州兵 (Army National Guard) と空軍州兵 (Air National Guard) で構成されている(海軍、海兵隊部隊は存在しない。これは国内問題がアメリカ沿岸警備隊の管轄になるため)。どちらとも行政組織上はアメリカ国防総省(2008年以降、大将指揮)の管轄下にあり、連邦から補助金や装備の供与を受ける。また、平時においては、連邦は州兵の指揮権を持たず、各州知事が指揮権を持つ。連邦が指揮権を発動するのは、大統領の命令により、州兵が連邦軍に編入された場合である。なお、コロンビア空軍州兵・コロンビア陸軍州兵は例外であり、他州の陸軍州兵が平時には各州知事の指揮下にあるのに対し、両州兵はワシントンD.C.(コロンビア特別区)市長の指揮下になく、常に連邦政府の指揮下にある。両州兵の最高指揮官はアメリカ合衆国大統領であり、災害時など、両州兵の動員が必要な際は、ワシントンD.C.市長が大統領に動員を要請することとなる。 陸軍州兵の人員は2001年現在で35万人、空軍州兵は10万6千人である。 ちなみに、一部の州には、民兵組織として (State Defense Force) や本格的な戦闘艦艇を持たない(Naval Millitia)もある(こちらは州兵と逆に、空軍組織は存在しない)。これらの民兵組織は構成員に軍の予備役が多いものの、州兵と異なり、州にのみ属する。そのため、組織として連邦軍に編入されることはない。なお、名目上こうした民兵組織が存在しても、実際には休眠状態の場合もある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「州兵」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 National Guard of the United States 」があります。 スポンサード リンク
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