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『巡洋艦サラマンダー』(クルーザー サラマンダー、ISBN 4150303126)は、谷甲州のハードSF『航空宇宙軍史』シリーズの一冊で中編集。発行日は、1989年12月15日。また表題作及び『サラマンダー追跡』と短編集『火星鉄道一九』収録の『土砂降り戦隊』『ソクラテスの弁明』に登場する同名の架空の戦闘艦艇。艦籍は外惑星連合軍。母港はガニメデ。 == 収録作品とあらすじ == *『巡洋艦サラマンダー』 : 外惑星連合軍唯一の正規巡洋艦として初陣を完璧な勝利で飾ったサラマンダーは、しかし推進剤を補給するタンカーとの邂逅に失敗し、母港であるガニメデへの帰投がきわめて困難な状況に陥った。取り得る選択肢は、数ヶ月間戦略的価値を失う漂流的航宙の後の帰投、敵に姿をさらし性能を暴露してしまう中立国・ジュノー寄港による補給、強引なタンカーとの再邂逅…。艦長シュルツ大佐の決断は。 *『サラマンダー追跡』 : 航空宇宙軍は外惑星連合軍の正規巡洋艦投入という予想外の事態を受け、これを撃破すべく稼働する全戦闘艦の投入を決定した。ゾディアック級フリゲート艦アリエスを旗艦とする内宇宙艦隊第三戦隊の根岸少将は、軌道要素もまちまちな多数の艦艇が急遽編入され寄せ集めと化した戦隊を指揮し、正体不明の敵艦サラマンダーを追跡する。そしてついに追いつめられたサラマンダーのとった行動は。 *『アナンケ迎撃作戦』 : 外惑星連合軍は航空宇宙軍の木星系侵攻を目前にして、残存の全戦力を衛星アナンケ周辺に集結させ、敵支援艦隊を叩くことで侵攻を阻止する迎撃作戦を準備していた。しかしいよいよ敵艦を捕捉した段階になって、カリストで早期講和派によるクーデター発生との情報が。混乱する情勢の中、敵は予想を遙かに超える規模であることが判明。外惑星連合軍はこのまま最後の玉砕戦に突入するのか。 *『最終兵器ネメシス』 :火山活動のため地上に都市を建設できないイオは、外惑星連合に参加してはいたが実質的な戦力ではなかった。しかしイオの火山エネルギー利用技術を軍事転用する「ネメシス計画」は、完成すれば木星系の諸都市にとって脅威となり得た。敗戦を目前にして、これを航空宇宙軍に渡すまいとするガニメデとカリストは開発データの消去を企て、戦前から平和目的のエネルギー開発に携わってきたイオの技術者と両国の派遣軍人とが観測衛星内で争いになる。かつての仲間同士の殺し合いの果てに見えた真相は。 なお、外惑星動乱を描いた作品には第二次世界大戦(特に太平洋戦争)をなぞったような展開を辿るものが多い。サラマンダー関連のエピソードはグラーフ・シュペー追撃戦を、『アナンケ迎撃作戦』はレイテ沖海戦をモチーフにしたと思われる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「巡洋艦サラマンダー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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