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左官屋 : ウィキペディア日本語版
左官[さかん]

左官(さかん)とは、建物土塀などを、こてを使って塗り仕上げる職種のこと。「しゃかん」ともいう事もある〔語源由来辞典 〕。
== 概要 ==

日本家屋の壁は、などを格子状に編んだ小舞下地(こまいしたじ)の両面に、(わら)を混ぜたを塗り重ねる土壁消石灰等の繊維でつくった漆喰が用いられるが、それらの仕上げに欠かせない職種であり、また、かつては土蔵の外壁やこて絵など、技術芸術的領域にまで昇華させる入江長八などの職人も現れた。
明治以降に洋風建築が登場すると、ラス煉瓦そしてコンクリートモルタルを塗って仕上げるようになり、日本建築以外にも活躍の場が広がる。
昭和30年代 - 40年代の高度経済成長期には、鉄筋コンクリート構造(RC構造)の建物が大量に造られ、多くの左官職人が必要とされた。戸建住宅においても、当時の内壁は綿壁や繊維壁の塗り壁仕上げが多かった。またこの頃から浴室タイル貼りなども行うようになった他、基礎工事、コンクリートブロック積み、コンクリート打設(打込み)時の均しなど仕事内容も多様化していった。
しかし、その後、住宅様式の変化や建設工期の短縮化(左官が使う材料である土・漆喰・モルタルは、一般的に乾燥・硬化に時間が掛かる)の流れから、壁の仕上げには塗装クロス等が増え、サイディングパネルや石膏ボードなど、建材の乾式化が進んだ。また、ビルマンション工事では、コンクリートにモルタルを厚く塗らない工法に変わった事や、プレキャストコンクリート工法(工場であらかじめコンクリート製品を製作した後、現場へ運搬し設置する工法)の増加 等の要因により、塗り壁や左官工事が急速に減少、職人数も減り続けていた。
最近になり、漆喰珪藻土等の天然素材を使用した壁が見直されると共に、手仕事による仕上げの多様性や味わいを持つ、左官仕上げの良さが再認識されてきている。特に「和モダン」と呼ばれる、日本らしさと欧米のモダンスタイルを併せ持つ建築には、多彩な左官仕上げが使われる事が多い。
左官を大別すると、戸建住宅や寺社工事を専門とするものと、ビルやマンション工事を得意とするものに分けられる。後者の中からは近年、床仕上げ専門職(床下地のモルタル仕上げや床コンクリート直仕上げ等を行う)も現れている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「左官」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Plasterwork 」があります。



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