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左美濃(ひだりみの)は将棋の戦法の一つ。対振り飛車・矢倉に現れ、美濃囲いや高美濃などを、玉が8筋に来るように左右を入れ替えて作る、居飛車版の美濃囲い。持久戦・急戦共に柔軟に対応できるとされ〔『日本将棋用語事典』(2004) pp.166-167〕。攻め方・囲い方に幅があり、初心者からプロまで用いる戦法・囲いである。他の振り飛車に対する持久戦法と比較すると藤井システムや石田流などの振り飛車の積極策に対し極端に不利になることが少なくプロでは持久戦に自信がない時の控えとしてアマチュアトップクラスでも大会で振り飛車の積極策が流行っているのならリスクの少ない戦法として需要がある。 == 囲い方のバリエーション == ;8八玉型 :角行を7七に上げて、8八の位置に玉を構える。かつてはよく用いられていたが、△6五桂が7七角に当たる、かと言って5九角と引いてしまっては、後手の角に玉将が直接狙われるという弱点がある。後述の米長玉に組み替えることもできるが、序盤から薄い玉頭を直接狙うという構想が広まってくると、下火になっていった。ただし後手が8二玉型であれば、有力な戦法である〔『消えた戦法の謎』p.62-p.68、『将棋基本戦法 振り飛車編』p.9、p.50-p.53 〕。現在では居飛車穴熊を断念した場合などで見られることがある。 ;天守閣美濃 :通常、左美濃といえばこれを指す(右図参照)。玉が角筋に入るのを避けるため、8六に歩を突き8七の位置に玉を構えるという珍奇な構えだが、右辺からの攻めに対しては玉が遠く〔詰まされにくいということ。6九の金を取られてもまだ、詰めろ、すなわち、こちらの玉が次で詰むという場面に至らない場合が比較的多いとされる。〕、高い勝率を誇った。玉頭が非常に弱いのが欠点。これに対抗する振り飛車側の作戦としては、藤井システムなどが知られる〔なお、湯川 (2005) pp.174-175によれば、居飛車側の玉が8七に居るという形自体は1607年(慶長12年)の棋譜で既に見られている発想である。ただし左美濃と組み合わせたものではない。〕。 ;四枚美濃 :右銀を7七の位置まで移動させ4枚で囲う。 ;左銀冠 :四枚美濃から進化した、左美濃の最終形。左銀冠進化前の左美濃に対する四間飛車側の対策については、藤井システムを参照。 ;米長玉 :玉を9八に置く。この形から銀冠にするのも一時よく指された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「左美濃」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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