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已然形 : ウィキペディア日本語版
已然形[いぜんけい]

已然形(いぜんけい)または仮定形(かていけい)とは、日本語用言における活用形の一つ。日本語の動詞形容詞などは語形変化を起こすが、活用形とは学校文法において語形変化後の語形を6つに分類したものであり、已然形(仮定形)はそのうちの一つである。なお已然形は文語で使われる用語であり、仮定形は現代口語で使われる用語である。
== 定義 ==
已然とは「すでにそうした」「すでにそうなった」の意味であり、確定条件(~ので)を表す「ば」や「ども」をつけることでできる語形であるのでこの名がある〔芳賀矢一『中等教科明治文典』 (1904) に「第五活用形の『死ぬれ』は『死ぬれども』『死ぬれば』の如く,或条件の已に成立せるを許していふ時に用ゐる形なれば已然形といふ」 (2・2) とあるように,「已然」の意味は元来動詞の已然形について認められた。助動詞「む」「まし」の已然形「め」「ましか」に「已然」の意味はない。〕。一方、口語において仮定形と名称を変えたのは、この語形をつくる「ば」の文法的機能が仮定条件を表すものに変化したからである。ちなみに文語において仮定条件を表す場合、「ば」の前は未然形であった。已然形の名は東条義門が『和語説略図』(1833年)において已然言として以来のものであり、仮定形の名は吉岡郷甫『日本口語法』(1906年)からのものである。
確定条件を表す「ば」の前で四段動詞の語末は/e/エ段音に変化し、一段動詞や二段動詞、形容詞は「れ」で終わるが、動詞の「れ」の前の母音は一段動詞は/i/か/e/、二段動詞は/u/となっている。一方、現代口語もほぼ同じ語形であるが、一段動詞の「れ」の前の母音は/e/か/i/のみになっている。また、ここでの「ば」の文法機能は仮定条件に変わっているが、形容動詞コピュラ「だ」、「た」だけは仮定条件の「ば」の前が未然形である文語の形式を残しているため「なら」、「たら」になっている。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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