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市野々王子[いちののおうじ]
市野々王子(いちののおうじ)は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある神社。熊野九十九王子のひとつ。境内は市野々王子跡として、国の史跡「熊野参詣道」の一部(2000年〈平成12年〉11月2日指定)。 == 歴史 == 市野々王子の創建は明らかではないが、古くから熊野那智大社の末社であって〔「角川日本地名大辞典」編纂委員会127 〕、修造費用が同社によって負担されていた。中世熊野詣の参詣記にその名が見られることから、遅くとも中世までには確立されていたものと考えられており、藤原宗忠の参詣記(『中右記』)には「一野」、修明門院の参詣記には「一乃野」の名で登場する〔。 那智参詣曼荼羅において二瀬橋のすぐ手前に描かれている小社が市野々王子であろうと推定されている。『紀伊続風土記』は、往来する多くの参詣者を相手に市が立ったことが社名の由来であるとしているが、室町時代から戦国時代の史料はもっぱら「一野」であって、市野々王子または若女一王子の社名が定着したのは近世のことである〔。 社地については諸説あり、もとから現在地にあったとする説と、100mほど北側の文明の岡という場所が旧社地であり、それが近世に移設されたものだとする説がある〔西171 、長谷川166 〕。文明の岡には、明治はじめまで金毘羅社があったが、1873年(明治6年)に市野々王子が王子神社の社名で那智大社から独立した際に合祀されている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「市野々王子」の詳細全文を読む
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