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希望学[きぼうがく] 希望学(きぼうがく、正式名称:希望の社会科学、英:Social Sciences of Hope)とは、個人の内面の問題とみなされてきた「希望」を、社会にかかわる問題として研究することを目的とする、学際的な研究領域である。2005年度より、東京大学社会科学研究所を研究基盤として、岩手県釜石市、福井県を対象とした地域調査が展開されている。 == 定義と特徴 ==
=== 問題と背景 === 「希望」は、個人の心の問題、すなわち心理学の研究領域とされてきた。しかし、個人が希望し叶えようとする「何か」、その「何か」を具体的にどのような手段や手続きによって実現するのかなどは、個人の内面を超えた社会状況と切っても切り離せない問題である。一方、従来の社会科学や、社会的言説では、社会がどこに向かっているかについての方向性とともに、個人が欲することや人生の目的などが存在することを暗に前提とし、それに従って行動することを基本的に視座としてきた。すなわち、「希望がいつも存在すること」を想定してきた。しかし、ニート、無気力、学力低下、低年齢化する犯罪などのような現代的社会問題においては、単なる景気の低迷などでは説明しきれないような、「希望の喪失」という根本的問題があることが多様な文脈で指摘されるようになってきた〔東大社研・玄田有史・宇野重規『希望学(1)希望を語る―社会科学の新たな地平へ』東京大学出版会, 2009年 p.82-83〕。希望学は、こうした背景から開始された、希望を社会と関連づけて探求する比較的新しい学際的学問分野である〔東大社研・玄田有史・宇野重規『希望学(1)希望を語る―社会科学の新たな地平へ』東京大学出版会, 2009年 p.61 で、リチャード・スウェッドバーグは「社会科学に希望というテーマを開放するという目的」と指摘している)〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「希望学」の詳細全文を読む
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