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常世神(とこよのかみ)は、『日本書紀』に登場する新興宗教の神。この神を祀ると、富と長寿が授けられ、貧者は裕福になり、老人は若返ると説かれた。 古来から行われてきた共同体的な祭祀ではなく、個人の欲求を適える信仰であるところに特色があるといわれ、民間道教の一種ではないかとの説もある〔水谷千秋『謎の渡来人 秦氏』(文春新書、2009年)。〕。 == 概要 == 『日本書紀』によると、皇極天皇3年(644年)、東国の富士川の近辺の人・大生部多が村人に虫を祀ることを勧め、「これは常世神である。この神を祀れば、富と長寿が授かる。」と言って回った。巫覡(かんなぎ)等も神託と偽り、「常世神を祀れば、貧者は富を得、老人は若返る」と触れ回った。さらに人々に財産を棄てさせ酒や食物を道端に並べ、「新しい富が入って来たぞ」と唱えさせた。 やがて信仰は都にまで広がり、人々は「常世虫」を採ってきて清座に祀り、歌い舞い、財産を棄捨して福を求めた。しかし、全く益することはなく、その損害は甚大だった。ここにおいて、山城国の豪族・秦河勝は、民が惑わされるのを憎み、大生部多を討伐した。巫覡等は恐れ、常世神を祀ることはしなくなった。時の人は河勝を讃え、 :太秦(うずまさ)は 神とも神と 聞こえくる 常世の神を 打ち懲(きた)ますも :(秦河勝は、神の中の神と言われている 常世の神を、打ち懲らしめたことだ) と歌った。 ;正体 『日本書紀』では続いて、「この虫は、常に橘の樹に生る。あるいは山椒に生る。長さは4寸余り、親指ぐらいの大きさである。その色は緑で黒点がある。形は全く蚕に似る」と記され、アゲハチョウの幼虫ではないかといわれる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「常世神」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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