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「幻の10年」(Happenings Ten Years Time Ago)は、ヤードバーズが1966年に発表した楽曲。サイケデリック・ロックを代表する曲のひとつである。また、ジェフ・ベックとジミー・ペイジがツイン・リードをとった唯一のスタジオ録音曲である〔あえて加えるならば、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「欲望」のサウンドトラック中の「ストロール・オン」がある。〕。 == 解説 == 1966年7月、『ロジャー・ジ・エンジニア〔リリース時のオリジナルタイトルは"Yardbirds"だが、現在では『ロジャー・ジ・エンジニア』の通称が一般的。〕』リリース直後、ヤードバーズ初期からのベーシスト、ポール・サミュエル=スミスが脱退。かわってジミー・ペイジがベーシストとして加入するが、すぐにサイド・ギターのクリス・ドレヤがベーシストにコンバートされ、ベック-ペイジのツイン・リード体制において、初めて、そして唯一リリースされたシングルである〔B面の「サイコ・デイジー」では、ペイジがベースを担当。〕。ただし本曲においては、クリス・ドレヤがサイド・ギターを担当し、すでにセッション・ベーシストとして有名であったジョン・ポール・ジョーンズがベースを担当した。そのため、このレコーディングがレッド・ツェッペリン結成の音楽的基点となったとされる〔 Alan di Perna, ''Guitar Masters: Intimate Portraits'', Hal Leonard Corporation, 2012, ISBN 978-1-4234-8988-7〕。 当初、レルフとマッカーティによる、デジャ・ヴと輪廻をテーマにしたインド風のシンプルな曲という構想であったが、ベックとペイジのアイデアが加わる事で、よりエキサイティングな曲として完成した〔。ベックは後に、「特別な理由もなく、気まぐれで車の衝突音的な効果音を入れた」〔ジョン・トプラー他著、「ギター・グレイツ」、神川あや訳・ロッキング・オン、1985、ISBN 4-947599-11-1〕と語っている。また、ベックはギターソロ中に、コックニー訛り〔psychedelicsight.com "Happenings 10 Years Time Ago" 〕の、"''Pop group, are ya? Got that long hair cut... Ha ha ha...''" 〔エフェクトと訛りのため、声の聞き取りは諸説ある。ここでは''Guitar Masters: Intimate Portraits''におけるAlan di Pernaの聞き取りを参考。他に、こちらも参照。〕というモノローグをエフェクトをかけて挿入した。ベックの用いた爆撃音的なギターサウンドは、3年後のウッドストック・フェスティバルでのジミ・ヘンドリックスの合衆国国歌の演奏などにも受け継がれた〔。 1966年10月、ヤードバーズはローリング・ストーンズ、アイク&ティナ・ターナーと12日間のイギリスツアーを行い、本曲はベック-ペイジのツイン・リードで演奏された〔。しかし、続くアメリカツアー中に、ベックがバンドを脱退したため、それ以降のライブにおいては、ペイジがベックのパートも合わせて演奏した〔「ヤードバーズ(LD,DVD)」で確認可能 国立国会図書館映像資料 AMLY-8087〕。 2003年、オリジナル・メンバーであるクリス・ドレヤとジム・マッカーティが再結成したヤードバーズのアルバム『バードランド』に新規収録され、スティーヴ・ルカサーがリードギターを客演している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「幻の10年」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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