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サルビア・ディビノラム(学名''Salvia divinorum'')は、メキシコ合衆国のに自生する、シソ科アキギリ属に属する多年草であり、これに含まれる成分サルビノリンAが幻覚作用を有する。この成分の含有は通常のサルビアとは異なる。カタカナに表記の揺れがありディヴィノルム、ディビノルムとも言うが、法令上は最初に示したとおりである。 20世紀中ごろに、原住民のマサテコ族によるシャーマニズムの研究の際に発見された。 日本では、2007年に薬事法の指定薬物に指定され、「直ちに人の身体に使用可能な形状の」サルビア・ディビノラム自体および主成分のサルビノリンAである〔薬事法第二条第十四項に規定する指定薬物及び同法第七十六条の四に規定する医療等の用途を定める省令(平成十九年二月二十八日厚生労働省令第十四号) 、厚生労働省、2014年9月1日閲覧〕。国際的に厳しく規制されているものではなく、向精神薬に関する条約の管理下にはない。 == 特徴 == 原産地はメキシコ合衆国オアハカ州であり、標高300mから1800mの山峡やその他の湿潤な範囲といった、ごく限られた地域でしか生育していない。〔Valdés, Leander J. III; Díaz, José Luis; Paul, Ara G. (May 1983). "Ethnopharmacology of ska María Pastora (Salvia divinorum, Epling and Játiva-M)". Journal of Ethnopharmacology 7 (3): 287–312. doi:10.1016/0378-8741(83)90004-1. PMID 6876852. Retrieved 2007-05-04.〕草丈は1m以上 に達し、葉は先端がとがった卵型で鋸歯があり、葉長は15cmに達する〔Giroud, C.; Felber F., Augsburger M. (2000). "Salvia divinorum: an hallucinogenic mint which might become a new recreational drug in Switzerland". Forensic Science International 112 (2): 143–150. doi:10.1016/S0379-0738(00)00180-8. PMID 10940599.〕。中空で角型の茎をもち、花は紫色の萼を伴った白色のS字状、形態は総状花序である〔Marushia, Robin (June 2003). "Salvia divinorum: The Botany, Ethnobotany, Biochemistry and Future of a Mexican Mint" (PDF). Ethnobotany. Retrieved 2007-05-04.〕。 花の形態や容量、花蜜の成分から、ハチドリを対象とした鳥媒花であると推測されているが、野生では一例のみが観察されるにとどまっている。またサルビア・ディビノラムは冷涼で湿潤かつ日陰の場所で生育するが、花芽形成は日光によって促進される。花芽形成時期も10月から5月の間であればいつでも可能であるため、花芽形成は散発的に起こる。開花時期がそろわず、開花場所もそろわないことから、現在では受粉による繁殖は付随的ないしは痕跡的なものであると考えられている。温室内での人工受粉実験では自家受粉で3 %、他家受粉でも28%程度の小堅果形成率しかないこともこの推測を裏付けている。また花粉も5割程度しか受精能力を持たないことが判明している〔Reisfield, A. (1993). The Botany of Salvia divinorum (Labiatae). SIDA 15(3):349-366.〕〔Valdés III, L.J. et al. (1987). Studies of Salvia divinorum (Lamiaceae), an hallucinogenic mint from the Sierra Mazateca in Oaxaca, Central Mexico. Economic Botany 41: 283-291. 〕そのためサルビア・ディビノラムはおもに匍匐芽によって繁殖を行い、自然状態での種の形成は確認されていない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「サルビア・ディビノラム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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