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弓浦市[ゆみうらし]
『弓浦市』(ゆみうらし)は、川端康成の短編小説。30年前に九州の「弓浦市」という町で会って求婚されたと言う婦人の来訪に戸惑う小説家の奇妙な体験の物語〔「カバー解説」(『再婚者・弓浦市』)(講談社文芸文庫、1994年)〕。突然訪れた一人の婦人の言葉により、虚と実の間の空間に誘われてゆく主人公の心理が描かれ〔森本穫「弓浦市 解説」(『短編の愉楽2―近代小説のなかの異空間』)(有精堂出版、1991年)p.228〕、婦人の妄想の過去と推測されるにもかかわらず、その語りの細部や、真実らしさに、読者も主人公と共に「あやしい時空」に引き込まれてゆくような、狂気と隣り合わせた異様な世界が提示されている作品となっている〔。実話怪談系のサイコ・ホラーにも一脈通ずる作品でもある〔東雅夫「心霊と性愛と」(『文豪怪談傑作選 川端康成 片腕』)(ちくま文庫、2006年7月)〕。 == 発表経過 == 1958年(昭和33年)、雑誌『新潮』1月号に掲載され、同年4月30日に新潮社より刊行の『富士の初雪』に収録された〔。その後1962年(昭和37年)8月に新潮社より刊行の『川端康成全集 第11巻』や〔、1981年(昭和56年)3月20日刊行の新版『川端康成全集第8巻』に収録された。現行版は講談社文芸文庫より『再婚者・弓浦市』として刊行されている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「弓浦市」の詳細全文を読む
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