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強相関電子系 : ウィキペディア日本語版
強相関電子系[きょうそうかんでんしけい]
強相関電子系(きょうそうかんでんしけい、Strongly correlated electron system)とは固体物理学の用語で、物質の中でも電子どうしの間に働く有効なクーロン相互作用が強いものをこのように呼び表す。
== 概説 ==
単純な金属(銅、アルミニウム等)では電子の電荷は原子核の持つ電荷によってよく遮蔽されており、電子は金属中であたかも孤立した自由な粒子として振る舞う(一体近似が有効である)ことが知られている。このような状態を「電子相関が無視できる」状態と呼ぶ(直感的には、一つの電子の周りから他の電子が逃げることで、残った原子核の正電荷により遮蔽が起こると理解すればよく、結局電子の密度と動きやすさが遮蔽の有効性をきめる重要な要因となる)。それに対し、遷移金属希土類を含む系では、電子の運動が特定の軌道に制限される等により局在性が強まり、遮蔽が不完全になることで電子どうしのクーロン相互作用が無視できなくなっている。また、電子ガスモデルでよく記述されるような系においても、電子密度が低く遮蔽が不完全な領域(電子密度を担うパラメータrsの値が大きい領域)では同様の状況になる。このような系では、いわゆるバンド理論(一体近似を前提とするバンド計算により電子状態を予測する理論)などは正しい結果を与えなくなる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「強相関電子系」の詳細全文を読む



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