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当世書生気質[とうせいしょせいかたぎ]
『当世書生気質』(とうせいしょせいかたぎ)は、坪内逍遥(春の屋おぼろ)の小説。1885年6月、第1号から1886年1月、第17号まで、半紙和綴17分冊で刊行され(晩青堂)、1886年4月、合本して半紙和装2冊本として刊行され(晩青堂)、1886年8月、洋装1冊として刊行された(晩青堂)。角書(つのがき)は「一読三歎」とある。 == 概要 == 逍遥はかねて『遊学八少年』という戯作の構想を抱いていた。勧善懲悪を否定し、写実主義を主張した文学論『小説神髄』の執筆に続いて、明治18年4月に書き始め、6月に『一読三歎 当世書生気質』第1巻を刊行。好評のため翌年1月までに第17巻を刊行した。明治初年の書生社会の風俗と気質をうつすことを主眼として、下宿生活、牛肉屋、楊弓店などで書生らが遊ぶ様子も描く。日本近代写実小説の第一として、『小説神髄』に展開された理論の具体化であるとされる。 ただし、文体は戯作の影響が強く、芸妓が筋の中心には上野戦争(彰義隊のたたかい)で生き別れになった兄妹の再会など、通俗的な側面もあったので、作者は晩年『逍遙選集』を編集したときに、この作品などの小説類をすべて〈別冊〉にくくりこんだ。 この小説は当時から世評が高く、長く読み継がれたため、作中の〈野々口精作〉なる人物のモデルと誤解されるのを苦にした野口英世が清作という本名を英世に変えたという、思わぬエピソードも生んだ。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「当世書生気質」の詳細全文を読む
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