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形式科学(けいしきかがく、)とは形式体系に関係する学問の総称である。論理学、数学、システム理論に加え、計算機科学、情報理論、ミクロ経済学、統計学、言語学のうち理論的な研究分野がこれに含まれる。 形式科学で扱うのは記号システムによって記述される抽象的構造であり、結果は公理や理論上のアイデアから推論(純粋な思考の過程)のみによって導き出される。これは、自然科学が現実世界を扱い、観測・観察から得られた知識をもとに結果を導き出すのと対照的である。しかし、形式科学で扱う体系は現実世界のものをモチーフしたものが多い。また、形式科学の結果は自然科学において現実世界を簡潔に理解するための構造(モデル)をつくるのに応用されることが多い。 形式科学で扱う体系は純粋に理論的なものであるので、現実世界そのものではない。しかし、時として「理論的なモデルは現実世界を完全に描写することができる」とか、理論が「現実そのものである」などと信じられてしまうことがある。 == 歴史 == 形式科学は科学的方法が確立される前に始まった。最も古い数学の資料は紀元前1800年(バビロニア数学)、紀元前1600年(エジプト数学)、紀元前1800年(インドの数学)に遡る。そのときから、インド、ギリシャ、イスラムの数学といった異なる文化で数学者たちは数学に多大な貢献をした。一方で、遠く離れた中国や日本は自国独特の数学的伝統を発達させた。 数学に加えて、形式科学の分野としての最も古い例の一つとして論理学がある。推論の方法の明確な解析としての論理学は3つの異なる場所に起源を持ち、持続的な発達をした。紀元前6世紀のインド、紀元前5世紀の中国、紀元前4世紀から紀元前1世紀にかけてのギリシャである。 形式的に洗練された近代論理学の扱いは、アリストテレスの項論理(:en:Term logic)などで知られ、のちにイスラムの論理学者たちが発展させたギリシャ流のものによる。インド流の論理学は早期近代まで続いた。中国流の論理学は中世においてインド流論理学が採用され生き残れなかった。 形式科学の他の多くの分野が数学にとても頼っているため、それらは数学が比較的高度に発達するまで存在しなかった。フェルマー、パスカル、ホイヘンスは確率論を創始した。 1800年代始めに。ガウス、ラプラスは、保険と政府会計における統計の利用を説明する数理統計学を発展させた。数理統計学は、20世紀始めに数学の一分野として認識される。 20世紀中頃に、新たな数理科学とオペレーションズ・リサーチやシステムエンジニアリングといった工学の分野の隆盛によって、数学は広げられ豊かになった。これらの科学は、情報理論、数値解析(科学技術計算)、理論計算機科学、を刺激した電子コンピュータの発展とその基礎となる電子工学な研究に資した。また、理論計算機科学は計算理論を含む数理論理学に資した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「形式科学」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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