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影なき殺意 : ウィキペディア日本語版
四つの終止符[よっつのしゅうしふ]

四つの終止符』(よっつのしゅうしふ)は、西村京太郎の長編推理小説。1963年に短編「歪んだ朝」でオール讀物推理小説新人賞を受賞したことで執筆の機会を得て、1964年に刊行された著者初の長編書き下ろし作品。
西村京太郎といえば今日ではトラベルミステリーの第一人者として知られているが、初期の本作は社会派推理小説に分類されるジャンルの作品である。本作が発表された1年後、現実でも同時期に聾者の被告に関する意思疎通の不十分性が問題となる点で類似する事件(蛇の目寿司事件)が起こっており、著者の社会感覚の鋭敏さが示された作品でもある〔。
著者の西村は、聾唖者教育の現状が貧困で一般の認識度も低いことや、聾者は発声機能が損なわれているわけではないため本人もろう学校の先生も懸命な努力をして発音しているにも関わらず、世間の嘲笑の対象となってしまうことにたいしての怒りなどをこの作品に込め、「彼らを理解する手助けになれれば幸いである」と本作のあとがきで述べている。
== ストーリー ==
聾者の青年晋一は、病身の母辰子と2人で貧しい暮らしを送っていた。小さな工場で働くが、意思疎通がうまく図れず、孤立している〔当時は手話に関する一般の認知度も低く、また発音訓練と読唇術を主体とした「口話法」に重点が置かれていたため、聾学校の教育ですら手話が禁止されていた。〕そんな晋一に、近所のバーの女給幸子だけは心を寄せていた。
ある日、晋一が母のために買った栄養剤「ビタホルン」を飲んで、母は毒死してしまう。栄養剤には砒素が含まれていた。病身の母が邪魔になって毒殺したのだと疑われ、当然のように晋一が逮捕される。意思疎通の不自由から、無実を訴える晋一を警察はまともに取り合わない。しかし、幸子は晋一の無罪を信じ、応援していた。
形勢不利な晋一に弁護士は、徒らに無実を主張するより裁判で刑法40条(聾唖者の刑罰減免を定めた規定、現在は削除〔かつて聾唖者の言語教育が不十分で、言葉によって示される物事の意味自体や抽象概念による思考能力を満足に身に着ける機会が少なかった時代、生まれつきの聾唖者には事理を理解するに足る十分な精神発育を欠く者も多いと考えられていたため、精神障害者の減刑と同趣旨で規定が置かれていた。〕)による無罪を勝ち取るよう提案し、晋一の救出を望む幸子はそれを伝える。幸子は昔、同じ聾者だった弟を事故死させたことに責任を感じ、どうしても晋一を助けたいと思っていた。だが、幸子にまで裏切られたと誤解し、絶望した晋一は遺書を残して自殺する。それを知りショックを受けた幸子も、後を追って命を絶つ。
なんとか幸子や晋一の無念を晴らしてやりたいと考えた時枝は、新聞記者の古賀とともに関係者をあたり、やがて、砒素入りの栄養剤は薬局員の富子が夫の雄介から勧められていた自家用のものが晋一の手に渡ったもので、佐々木一家は本来無関係な偶発的被害者だったと判明する。結局、毒物の出所となった自責の念で富子も自殺し、辰子・晋一・幸子・富子という4人の死を引き起こして事件は幕を閉じる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「四つの終止符」の詳細全文を読む



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