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モーダストレンス()は、間接証明(indirect proof)や対偶による証明(proof by contradiction)の正式な名称である。ラテン語で「否定によって肯定する様式」の意。後件否定(denying the consequent)とも呼ぶが妥当な論証形式であり、似たような名称の妥当でない論証形式(後件肯定や前件否定)とは異なる。 モーダストレンスは次のような形式である。 :P ならば Q である。 :Q は偽である。 :従って、P は偽である。〔 University of North Carolina, Philosophy Department, Logic Glossary.〕 == 解説 == この論証には2つの前提条件がある。第一の前提は「P ならば Q」という形式の文であり、含意を表している。第二の前提は、Q が偽であることを主張している。これら2つの前提から、論理的に P が偽でなければならないことを結論として導いている。 例えば、次のような例がある。 :ここに火があるなら、ここには酸素がある。 :ここには酸素がない。 :従って、ここには火がない。 別の例を挙げる。 :リジーが殺人者なら、彼女は斧を持っている。 :リジーは斧を持っていない。 :従って、リジーは殺人者ではない。 これらの前提がどちらも真であるとする。リジー・ボーデンが殺人者なら、彼女は斧を持っていたに違いない。そして、実際にはリジーは斧を持っていなかった。結果として、彼女は殺人者ではないということになった。論証が妥当で、前提が真なら、結論も真となる。 もっとも、殺人者が常に斧を所有しているとは限らないのも自明である。例えば、斧を借りることもできる(従って、リジーは斧を所有していなくとも殺人者の可能性がある)。この場合、最初の前提が偽であることを意味する。論証が妥当であっても、前提が偽なら結論も偽となる。 モーダストレンスは、カール・ポパーが反証可能性について論じる際に使われ、有名になった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「モーダストレンス」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Modus tollens 」があります。 スポンサード リンク
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