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後成説[こうせいせつ] 後成説(こうせいせつ)とは、生物の発生に関する仮説で、卵には幼生や胚の元になる構造が初めからあるのではなく、次第に作り上げられるものであると説くものである。前成説に対して唱えられ、次第に認められた。 == 概説 == 動物の発生に関する解釈としては、もともと子供の体の小さなひな型があって、それが次第に展開するのだという、いわゆる前成説が優勢であった。後成説 (epigenesis) は、それに対してそのような仕組みは無く、何も無いところから次第に形が作り上げられるのだとするものである。 両説ともにその起源は古代にさかのぼるが、紀元前から18世紀ころまでずっと前成説が優勢であった。これは、その方が素朴に分かりやすいこともあったろうが、胚の形成において、大まかな部分の形成が極めて初期に起こり、ごく微小な状態で行われる点も大きいであろう。また、キリスト教がこれを支持する面もあった。しかし18世紀から19世紀に胚発生がより詳細にわたって研究されることで後成説が正しいことが確認され、さらに細胞説の確立とともに定説化した。ある意味で、これが近代的な発生学の始まりとなっている。 なお、ここでいう前成説は素朴な形のものであり、広い意味での前成説は今もそれなりの意味を持っている。それに対して後成説は現在ではいわば常識であり、改めて取り上げられることは無い。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「後成説」の詳細全文を読む
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