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後手番一手損角換わり[ごてばんいってぞんかくがわり]
後手番一手損角換わり(ごてばんいってぞんかくがわり)は将棋の戦法で、角換わりの一種。対戦成績表などでは、省略して単に一手損角換わりとも呼ばれる〔勝者および敗者の星取(○●)で、どちらが先後か判明しているため。〕。 淡路仁茂が生みの親。2004年頃から盛んにプロ棋士が採用するようになった。2005年の名人戦(森内俊之に羽生善治が挑戦)では、7番勝負のうち2局でこの戦法が採用された(結果は1勝1敗)。淡路はこの戦法によって第33回(2006年)升田幸三賞を受賞した。 また、将棋は従来先手が若干有利とされていたが、2008年度の日本将棋連盟公式棋戦において、.503 - .497 と微差ながら、統計開始以降はじめて後手の勝率が先手のそれを上回った。青野照市によれば、この事件に最も貢献したのがこの後手番一手損角換わりであるという〔青野 (2009) p.3〕。 角換わりの序盤において、後手が△8五歩を省略するために早期に角交換する。そのために後手の上にさらに一手損するという、従来は考え得なかった戦法である〔青野(2009) p.3〕。具体的には△8五歩の一手を損したことにより、8五の歩が8四に下がっているかたちになるため、8五に桂馬を跳ねる余地がある(これは攻めの意味もあれば、7三の桂頭を敵に狙われにくくする意味もある)など、作戦の幅が拡がる。これがこの戦法の骨子である〔青野(2009) p.3, pp.9-15〕。 従来の角換わりには腰掛け銀・棒銀・早繰り銀の3戦法がある。以下ではそれぞれの戦法の一手損角換わりにおける展開を記す。 ==腰掛け銀==
角換わり腰掛け銀とほぼ同様。ただし、いわゆる角換わり同型になったとき、後手の飛車先の歩が8五でなく8四にあるため、△8五桂からの反撃が可能になるなど指し手の幅が広がり、研究の幅が広がった。従来の△8五歩型と比較して、同型腰掛け銀においても純粋に後手得というわけではないのだが、手が広がっているために、先手に一方的に主導権を握られる展開をある程度は避けやすい。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「後手番一手損角換わり」の詳細全文を読む
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