翻訳と辞書
Words near each other
・ 微生物叢
・ 微生物学
・ 微生物学的定量
・ 微生物学的定量法
・ 微生物学的検定
・ 微生物学的検定法
・ 微生物学者
・ 微生物定量
・ 微生物株保存機関
・ 微生物殺虫剤
微生物環
・ 微生物生態学
・ 微生物病研究所
・ 微生物相
・ 微生物精練
・ 微生物農法
・ 微生物農薬
・ 微生物遷移
・ 微生物遺伝学
・ 微生物防除


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

微生物環 : ウィキペディア日本語版
微生物環[びせいぶつかん]
微生物環(びせいぶつかん、microbial loop)とは、溶存有機物質従属栄養細菌、および微小動物プランクトンの3者から構成される海洋における栄養経路のこと。微生物ループマイクロビアルループとも。
1980年代にAzamらによって提唱され、現在までに広く受け入れられている。
旧来、海洋における栄養経路は一次生産者である植物プランクトン(特に珪藻など大型のもの)、植食性動物プランクトン(カイアシ類など)、肉食性動物プランクトン(ヤムシなど)、および高次の捕食者からなるいわゆる「生食食物連鎖 (grazing food chain) 」が主であると考えられていた。しかし、海洋微生物の研究方法が発展するにしたがい、生物量が常に安定しているように見られる従属栄養性細菌は1日1分裂のオーダーでの増殖を行っている一方、これにほぼ匹敵する摂餌を鞭毛虫繊毛虫といった微小動物プランクトンから受けており、生食食物連鎖に匹敵するかそれ以上のエネルギーや物質のフラックスが存在することが明らかになった。
微生物環においては摂餌に際して放出・排泄される有機物が再び従属栄養性細菌に利用されるため、「鎖」 (chain) ではなく、「環」 (loop) の語が使われている。そのため、微生物環における生産はほとんど正味の生産(純生産)にはならず、表層で循環しているのみである。また、シアノバクテリアなどごく小型のピコ植物プランクトンも増殖速度が高く、微小動物プランクトンの餌生物となることから微生物環の支流を形成すると考えられるが、栄養形態の違いからこれらを含めた栄養経路を微生物食物網 (microbial food webs) と区別することがある。
一般的に、貧栄養な外洋では生物過程による全エネルギー・炭素フラックスに占める微生物環の割合が沿岸や内湾よりも高い。
== 関連項目 ==

*生物海洋学
*食物連鎖


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「微生物環」の詳細全文を読む



スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.