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心霊写真(しんれいしゃしん、''Spirit photograph、Psychic photograph'' )とは、霊(地縛霊、浮遊霊場合によっては生霊(いきりょう)など)や、エクトプラズム、死神、神仏などが写りこんでいると主張される写真のこと。また、写るはずの被写体の一部あるいは全部が写っていないものなども心霊写真のカテゴリーに入れられる場合がある。 日本では、“幽霊写真”、“霊感写真”などさまざまな呼称があったが、1970年代半ばのオカルトブーム期において、心霊写真の名称で定着した。 == 概要 == 心霊写真は、観光や記念写真あるいはテレビドラマや映画撮影など別の目的で写真を撮影した場合に、意図せず偶然写り込んだものと、交霊会などで霊能者が呼び出した霊やエクトプラズムを記録するために意図的に撮影するものがある。前者は、事故現場や自殺の多い場所、人が集まる場所などで写りやすいといわれ、心霊写真と呼ばれるものの中には墓地や滝、絶壁、過去に死亡事故を起こした中古車などを被写体にしたものも多数存在する。その多くがこうした因縁話に関連付けられ見られることが多いことから、不安や先入観によって、単なるレンズフレアや後述のシミュラクラ現象(または輪郭誘導現象)、被写体の角度とカメラアングルの位置関係から人体の一部が消失したかに見える写真を霊の仕業と思いこんでしまう心理によるものが大半である〔超常現象の謎解き「心霊写真」 〕。 また、心霊写真を集め、専門家や霊能者を自称する人々のコメントをつけた本も多数出版され一大ビジネスに発展した時期があった。現存する心霊写真の中で日本最古だとされている明治12年撮影の、横浜の保土ヶ谷で天徳院という真言宗の寺の住職を務めていた小山天領という人物を写した写真には、小山の背後に撮影時には存在しなかったとされる女性らしき人物像が見えるが、小池壮彦氏の著書『心霊写真』(宝島社新書)によれば、この写真を撮影したのは三田弥一という横浜の写真師で、単なる二重写し(多重露光)の可能性が高いといわれている。背後に映った霊とされる女性をこの写真師が生前撮っていたためである。三田は写真館の客寄せの道具として、この写真を店頭に飾っていたが、それを売ってほしいという客が現れたため高値を付けたところ、10日間で300枚も売れた。このように、日本でも明治期から、現在心霊写真と称されるものがすでにビジネスとして存在していた〔超常現象の謎解き「心霊写真」-こんなところに顔が!! 不気味な顔が写っている心霊写真の例 〕。 19世紀に撮影された心霊写真には、写真を見慣れた現代人の目にはあからさまに稚拙なトリック撮影と見破ることができるものがかなりある。 意図せずに撮影された心霊写真は、職業的なカメラマンから見ると、レンズフレア (ハレーション)やガラスの映り込み、フラッシュの反射などアマチュアが犯しがちな技術的な失敗であることが多い。また、フィルム送り不良による多重露出の場合もある。 例えば、赤っぽい幕のような物はレンズフレアであり、近くに強い光源があると発生する現象である。一眼レフカメラであればレンズフードを使用することにより防げるが、フードを使用しないときやコンパクトカメラを使用した時などによく発生する。 また、車のウインドウやブラウン管のディスプレイに光が反射すると周りにある物体がそこに歪んで映るなどして、顔などが複数写り込んだように見えることも多い。 デジタルカメラや携帯電話(スマートフォン)のカメラ機能の普及により、機械本体や記録メディアやプリンターの不具合や設定ミスにて異常な状態の画像を表示・印刷した物を心霊写真と勘違いする場合もある。 心霊写真の一種として、オーブと称する物もある。これはフラッシュを発光した際にストロボ光が空気中の水分・ホコリなどに反射し発生する現象である。右記の写真では、最上段のものがレンズ若しくはレンズフィルターに付着した水滴が乱反射を起こす現象で、夜間、露が降りてきたときなどに特に発生しやすい。また、空気中で結露した水蒸気が湯気となりフラッシュ光で乱反射を起こすことがあり、特に地下からの水がわき出るような所や滝の近くでは夏場などによく発生する現象である。 心霊写真の中には捏造されたものがあり、1989年には小学館の女性週刊誌『女性セブン』で心霊写真の捏造が発覚し編集長が解任されている〔「編集長解任、デスクおよび担当編集者は停職処分に─『女性セブン』心霊写真ねつ造事件の顛末」『創』1989年12月号、創出版。〕。 テレビ番組『特命リサーチ200X』(日本テレビ系)、『USO!?ジャパン』(TBS系)などで心霊写真の作り方がいくつか紹介され、特に後者では投稿で任意に顔や肩の手や巨大な歪んだ顔を既存の写真に貼り付ける手法が公開された。(''#人為的な「心霊写真 」のトリックの節を参照'')。上記で報告されたアマチュアによる人為的ミスによる虚像撮影映像が心霊写真と主張されていた可能性がある。 また、心霊写真ではないかとされる写真の被写体が、木や岩、など自然の造形物であることが多く、この場合木々や岩場の複雑な陰影が見方によって人の顔に見えることが多く、写真を撮ったり撮られたりしたものがそのことを気にする事例が多くあった。人間の脳は、3つの点があれば顔に見えるようにプログラムされており、これをシミュラクラ現象(類像現象)というが、これが大半を占めるケースがしばしばみられた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「心霊写真」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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