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思考実験 (しこうじっけん、英 thought experiment、独 Gedankenexperiment)とは、頭の中で想像するだけの実験。科学の基礎原理に反しない限りで、極度に単純・理想化された前提(例えば摩擦のない運動、収差のないレンズなど)により遂行される。思考実験の例としては、古代ギリシャの「アキレスと亀」やガリレオといった古典から、サンデル講義で有名になった「トロッコ問題」、映画『マトリックス』のモチーフとなった「水槽の中の脳」、アインシュタインと量子力学の闘いといった先端科学までわたる。 実際に実験器具を用いて測定を行うことなく、ある状況で理論から導かれるはずの現象を思考のみによって演繹すること。いわゆるシミュレーションも実際の対象を使わない点で共通するが、シミュレーションはモデルを使って行うものであり、少なくとも具体的な数値や数式を用いて詳細な結果を得る。これに対して、思考実験はよりあいまいで概念的な結果を求めるものを指す。 とりわけ科学史上、特殊な状況に理論を当てはめることによる帰結と、実験を必要としない日常的経験とを比較することによって、理論のより深い洞察に達してきた考察や、元の理論を端的に反駁し、新たな理論の必要性を示すとともに、それを発展させるのに利用されてきた考察を指すことが多い。 この言葉自体は、エルンスト・マッハによって初めて用いられた。 有名な例としては、アインシュタインが光の速度と慣性系の関係についての洞察から特殊相対性理論に達した考察が挙げられる。 ==実例== ===アイザック・ニュートンの重力(万有引力)の発見につながる思考実験=== あまりに有名な為、後世の創作ではないかと疑われる事もあるが真実は不明。 #りんごが木から落ちるのに遭遇したニュートン。 #りんごの木を見上げるとその向こうには月が光っている。 #りんごが落ちたのはりんごを木につなぎ止めていた力がなくなったからである。 #では、なぜ月は落ちて来ないのか? どんな力が月を空につなぎ止めているのか? #糸をりんごに結びつけて振り回している図を想像するニュートン。 #振り回すと速度によって離れて行こうとする(遠心力)。 #月は地球を回っていることを思い浮かべる。 #遠心力で月が飛び去って行かないのは、糸のかわりをしている力があるはずである。 #月が地球の回りを回りながら同じ距離を保っているのは、遠心力とこのつなぎ止める力がつりあっているからであるに違いない。 #このつなぎ止める力を重力と呼ぼう。 #しかし、重力は地球だけが持ち月をつなぎ止めているのか? それとも月も地球も重力を持ちお互いに引っ張りあっているのか? #これは、計算式を立てて様子を見てみないと分からない。 この結果、ニュートンは引力を形式化する微分を作ることになる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「思考実験」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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