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脳炎[のうえん]
脳炎(のうえん)は、脳の炎症性疾患の総称。急性脳炎は脳実質に生じた炎症によって、発熱、頭痛、意識障害、麻痺などの急性症状を呈した状態をさす。脳炎様の臨床症状が存在するにもかかわらず脳実質に炎症が見られない場合は病理学的に脳炎に含めず脳症に分類する。脳症の病理学的な特徴は炎症ではなく脳浮腫である。 かつては両者の区別が難しいことから脳炎・脳症とまとめて述べることが多かった。詳細な病歴、臨床所見の把握、MRI検査、血液、髄液検査、ウイルス、細菌検査、長時間脳波検査、有機酸分析、アシルカルニチン分析などを駆使して診断に至る。しかし十分な検索ができず急死する例もある。 == 神経感染症の総論 == 発熱の原因が中枢神経と疑われるとき、髄液検査を行い細胞数の増加があれば神経感染症と考える。神経感染症では感染部位によって名称、症状が異なる。 中枢神経系の感染症は早期発見、効率的な方針決定、速やかな治療の開始が生命予後を左右するため医療にとって最も重要な疾患の一つである。これら明瞭な臨床症候群は急性細菌性髄膜炎、ウイルス性髄膜炎、脳炎、局所性感染症である脳膿瘍や硬膜下膿瘍および感染性血栓性静脈炎が含まれる。いずれもそれまで健康であった人々に発熱や頭痛などの非特異的な前駆症状を引き起こし、最初は比較的良性の病態と考えられる。しかし、ウイルス性髄膜炎以外はやがて意識状態の変化、局所性神経症状または痙攣発作が出現する。早期治療のポイントはこれらの病態を早急に鑑別し、病原体を同定し適切な特異的な治療を開始することである。まずは感染部位がくも膜下腔にある(すなわち髄膜炎である)のか、病変は脳組織全体に分布しているのか、あるいは大脳半球、小脳、または脳幹に限局しているのかを確認することが必要である。ウイルス感染により脳組織が直接受ける場合は脳炎とよばれ、細菌または真菌または寄生虫による局所性感染が脳組織に及んでいる場合には被膜形成の有無によって脳膿瘍、または脳実質炎とよばれる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「脳炎」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Encephalitis 」があります。
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