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怪談牡丹灯籠 : ウィキペディア日本語版
牡丹灯籠[ぼたん どうろう]

牡丹灯籠(ぼたん どうろう)は、中国代の小説集『剪灯新話』に収録された小説『牡丹燈記』に着想を得て、三遊亭圓朝によって落語の演目として創作された怪談噺である。『牡丹燈記』は、若い女の幽霊が男と逢瀬を重ねたものの、幽霊であることがばれ、幽霊封じをした男を恨んで殺すという話で、圓朝はこの幽霊話に、仇討や殺人、母子再会など、多くの事件と登場人物を加え、それらが複雑に絡み合う一大ドラマに仕立て上げた。圓朝没後は、四代目橘家圓喬五代目三遊亭圓生六代目三遊亭圓生五代目古今亭志ん生・初代林家彦六など歴代の大真打が得意とした。
明治25年(1892年)7月には、三代目河竹新七により『怪異談牡丹灯籠』(かいだん ぼたん どうろう)として歌舞伎化され、五代目尾上菊五郎主演で歌舞伎座で上演されて大盛況だった。
以後、演劇映画にも広く脚色され、特に二葉亭四迷は圓朝の速記本から言文一致体を編み出すなど、その後の芸能・文学面に多大な影響を与えた。
== 概要 ==
『剪灯新話』は、中国から伝えられたのち、江戸中期の怪談集「奇異雑談集」・「伽婢子」に翻案され、そのモチーフは上田秋成の「雨月物語」・山東京伝の「復讐奇談安積沼」などの読本、四代目鶴屋南北の脚本「阿国御前化粧鏡」に採用されるなど、日本でもなじみ深いものであった。現行の「牡丹灯籠」はそれらの先行作を発展させたものである。
『伽婢子』版牡丹灯籠に登場する男の名前は「荻原新之丞」であり、圓朝はこれに着想を得たものと考えられる。
四谷怪談」や「皿屋敷」と並び、日本三大怪談と称せられる。但し、他の2作が深い怨恨を遺して死んだ亡霊を主人公とし、また「累ヶ淵」では宿世の因縁による何代にもわたる怨恨の連鎖を主たるテーマとしているのと比して、亡霊と人間との恋愛を描くという点で、原作に見られる中国的な趣きを強く残しているものと言える。このモチーフは、映画『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』に取り上げられた『聊斎志異』収録の「聶小倩」などと通じるものがある。
また、日本の幽霊には足が無いのが一般的であるのに対して、牡丹灯籠のお露は、カランコロンと駒下駄の音を響かせて夜道を歩いて来る、という演出にも、中国的な幽霊の名残りが見られる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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