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悪性黒色腫[あくせいこくしょくしゅ]
悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ、メラノーマ、''malignant melanoma'')とは、皮膚、眼窩内組織、口腔粘膜上皮などに発生するメラノサイト由来の悪性腫瘍である。正確な発生原因は不明であるが、表皮基底層部に存在するメラノサイトの癌化によって生じてくるのではないかと考えられている。皮膚に発生する悪性黒色腫は紫外線曝露と、足底に発生するものは機械的刺激と関連性が深いと考えられている。 == 発生 == 1970年代までは、扁平上皮基底層に存在する良性の母斑が、前癌病変である異形成母斑 (dysplastic nevus) を形成し、水平増殖期、垂直増殖期を経て転移を起こすという段階的な悪性化モデルが考えられていた。しかし、現在はメラノーマの大部分は母斑とは無関係に、表皮基底層部に存在するメラノサイトの癌化によって生じてくるのではないかと考えられている(したがって、通常のほくろが長期的な刺激などにより悪性化するとの説は否定されつつある)〔斎田 俊明/第73 回日本皮膚科学会東部支部学術大会④ シンポジウム3より「メラノーマ研究の進歩と課題」 /2010 年5 月20 日〕。 日本人の年間推定発生患者数は1500 - 2000人前後(人口10万人に約1.5 - 2人の割合)〔悪性黒色腫「皮膚」 ・健康と安全を追求する Net plaza 〕とされており、欧米人の「10万人に約15 - 20人〔皮膚がんの標準治療|がんサポート 〕」に比べ圧倒的に少ないが、近年は増加傾向にある。 悪性黒色腫はいくつかの型に分類できるが、その中で表在拡大型は紫外線の影響が大きいと考えられている。悪性黒色腫の病型相対頻度を見ると、日本人では表在拡大型は17%〔Ishihara K, et al : Int J Clin Oncol 6 : 109, 2001〕であるのに対し、白色人種では58%〔Chang AE, et al : Cancer 83 : 1664, 19 AE, et al : Cancer 83 : 1664, 1998〕と有意に発生率が高い。日焼けマシーンの使用者は発症リスクが、1.2倍に上昇する〔日焼けマシン使用者はメラノーマのリスクが1.2倍 日経メディカルオンライン 記事:2012年8月7日〕との報告がある。 この悪性黒色腫は人間以外にも発生する病気で、特に芦毛馬の発生率が高い。日本の競走馬ではシービークロス(天皇賞馬タマモクロスの父。1991年に死亡)、ハクタイセイ(皐月賞馬。2013年に死亡)などが悪性黒色腫が元で死亡している。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「悪性黒色腫」の詳細全文を読む
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