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悪逆[あくぎゃく] 悪逆(あくぎゃく)は、中国と日本の律令に定められた犯罪類型で、父母など目上の親族に対する殺人や暴行のうち重大なものを含む。一つの犯罪ではなく、いくつかの犯罪をまとめた分類名である。中国では十悪の4番目、日本でも八虐の4番目の重大犯罪とされた。君主や国家に対する犯罪でない一般犯罪ではもっとも重い犯罪類型である。 == 悪逆の範囲 == 尊属に対する重大犯罪が悪逆だが、行為と近親の度合いによって、悪逆になるかどうかが決まる。父母と父方の祖父母に対する場合、殺(現代的に言えば殺人罪)、謀殺(殺人の予備罪〔律の用語で謀は犯罪の計画で、現代的に言えば予備罪にあたる。律では計画段階の謀と、着手段階とを区別し、未遂は重視しない。〕)、殴(殴る、蹴るなどの暴行罪、その結果としての傷害罪)が悪逆となる。 伯叔父(おじ)・姑(父方のおば)・兄・姉・外祖父すなわち母方の祖父母・夫・夫の父母に対する場合、殺人を実行した場合にのみ悪逆となる。妻や妻の父母に対しては、殺しても悪逆にはならない。この分け方は、日本の養老律でも中国の唐律でも同じである〔 『養老律』名例律第一、6八虐条。日本思想体系新装版『律令』16-17頁。〕。 伯叔父などに対する謀殺と殴は、日本律では八虐の5番目の不道、唐律では十悪の8番目の不睦に分類されるが、対象親族の範囲や危害・敵対行為の詳細などに異同が多い。 八虐・十悪の罪は、身分・官位・扶養義務などを考慮した減刑や贖罪の対象にならず、恩赦の対象から外されたり扱いが不利になる〔詳しくは八虐を参照。〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「悪逆」の詳細全文を読む
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