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悪魔[あくま]
悪魔(あくま)は、特定の宗教文化に根ざした悪しき超自然的存在や、悪を象徴する超越的存在をあらわす言葉である〔中村元、福永光司、田村芳朗、今野達、末木文美士 編 『岩波 仏教辞典 第二版』 岩波書店、2002年、p.6〕。 悪魔は、仏教では仏道を邪魔する悪神を意味し、煩悩のことであるとも捉えられる〔。キリスト教ではサタンを指し、神を誹謗中傷し、人間を誘惑する存在とされる〔大貫隆、名取四郎、宮本久雄、百瀬文晃 編 『岩波キリスト教辞典』 岩波書店、2002年、pp.16-17〕。サタン以外の西洋文化の悪霊(デーモン)も現代日本語では一般に悪魔と呼ばれたりする。イスラム教においては悪魔はシャイターン、イブリースと呼ばれる。 宗教によっては神に敵対するものを指し、他宗教の神々への蔑称ともなる(後述)。 == 日本語の悪魔 == 漢語の「悪魔」は本来、漢訳仏典に由来する仏教語であるが、現代日本語では西洋のサタン、デビル、デーモンの訳語としても用いられている〔南條竹則 『悪魔学入門』 講談社、2010年、pp.20-21〕。ハビアンの『破提宇子』には「じゃぼ」(ポルトガル語の Diabo の音訳)、「悪魔」、「天狗」、「鬼物」といった、キリシタンによるキリスト教の悪魔の翻訳例が示されている〔参照〕。 仏教語としての悪魔はサンスクリット語マーラの音訳「魔羅」「魔」と同義である。「魔」という漢字は、死者を指し超自然的なものを含意する意符「鬼」と、マーラの音を表す音符「麻」とを組み合わせたものである。摩と書かれていたのを、梁の武帝蕭衍が魔に改めたとされる〔小学館 『佛教大事典』〕。日本の民俗信仰では、災いをなす原因と想定されるモノを漠然と擬人的に「悪魔」と呼ぶようになった〔福田アジオ、新谷尚紀、湯川洋司、神田より子、中込睦子、渡邊欣雄 編 『精選 日本民俗辞典』 吉川弘文館、2006年、p.9 「悪魔」(池上良正 筆)〕(通り悪魔も参照)。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「悪魔」の詳細全文を読む
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