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悪魔払い[あくまばらい] 悪魔払い(あくまばらい、あくまはらい、悪魔祓い、悪魔払)は、宗教、民俗信仰において、祈祷・儀式などによって悪魔・悪霊、悪神、魔神、偽りの神を追い払うこと、またその祈祷・儀式・行事である。 このような営為は、古代から現代に至るまでの世界各地のさまざまな社会にみられるものである〔『エリアーデ・オカルト事典』309頁。〕。それら世界各地の宗教、民族宗教、民俗信仰、その文化における類似行為・現象を、それぞれの名称や意義や形態はさまざまであるが、文化人類学者は総称的に「悪魔払い」と呼ぶことがある〔たとえば、上田紀行 『スリランカの悪魔祓い』 講談社〈講談社+α文庫〉、2000年。〕。悪霊払い(悪霊祓い)、祓霊儀礼ともいう。 == 用語として == 「悪魔払い」(あくまはらい)〔旧字体を用いた歴史的表記で「悪魔拂」、「悪魔拂ひ」〕は修験道や神道に関わる〔『神道大辞典』〕日本の宗教文化の語彙である。「払い」とは、元は神道における「祓い」すなわち「祓(はらえ)」であり、穢れを払い、災厄を消滅するための行事であったとされる〔『神道辭典 覆刻』536頁。〕。この場合の「魔」、「悪魔」は仏教用語であり、悪魔と翻訳されたキリスト教の「デヴィル」や「サタン」とは歴史的背景と宗教的意味を異にしている。仏典のマーラの音訳からの漢語として仏教の伝来とともに日本に入ったもので、元は仏道修行を妨げる悪神を意味したが、日本では害や災いをなす原因を人格化した存在一般を悪魔の語で表すようになった〔『精選 日本民俗辞典』(福田アジオ・他編、吉川弘文館、2006年)の「悪魔」の項(執筆者=池上良正)〕。 キリスト教では、教派により用語や扱いが異なるが、悪魔、異教(非キリスト教)と決別するエクソシズムの伝統がある。カトリック教会のエクソシズムは、映画『エクソシスト』のヒットにより一般にも有名である。日本語のカトリック用語ではエクソシズムを「祓魔」ともいう〔菊池章太 『悪魔という救い』 朝日新聞社〈朝日新書〉、2008年。〕。 キリスト教の文脈から離れて、エクソシズムという言葉は広く世界各地の宗教文化・民俗文化にみられる悪魔または悪霊を場や人から追い払う諸実践・文化事象に対しても適用されている。日本語ではエクソシズムの訳語として「悪魔祓い」〔たとえば『リーダーズ英和辞典』、『ジーニアス英和大辞典』〕、時には「悪霊祓い」〔たとえば『エリアーデ・オカルト事典』「悪霊祓い」の項。〕が当てられる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「悪魔払い」の詳細全文を読む
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