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情報子会社問題 情報子会社問題とは、企業が本社機能として保有すべき情報システム部門を子会社化してITアウトソーシングする事によって、企業のITガバナンスが低下する問題である。 == 概要 == 情報技術の高度化に伴い、企業の経営戦略におけるITの重要性が高まる中、従業員1000人以上の企業の約4割が情報子会社を保有し〔企業IT動向調査2015 日本情報システム・ユーザー協会〕、外部委託している状況である。(連結売上高5000億円以上の企業の約7割がIT子会社を保有し、その6割が完全子会社、親会社の出資比率が50%を超えるIT子会社は8割に上る〔IT子会社の課題と再生―全社基盤としてのIT機能の高度化・効率化― 野村総合研究所〕)。企業は本体(親会社)の情報システム部門に企画機能を残し、開発・運用機能を情報子会社に移しているため、IT推進体制が分断されている状態である〔情報システム子会社の経営実態に関する法人アンケート調査結果 2015 矢野経済研究所〕。(矢野経済研究所の2015年の調査によると、情報システム子会社の企画プロセスへの参画比率は50%程度で、情報子会社が親会社にコンサルティングを実施しているという実態となっている〔情報システム子会社は「ソリューション提案力」「コンサルティング力」が課題 EnterpriseZine〕)。また、親会社と情報子会社のIT機能に重複や欠如が生じて、深刻な状態に陥っているケースもある。これに伴い、迅速なIT戦略の実行が困難な状況に陥り、国際競争力が著しく低下している。 米国では本体に数千人規模のIT技術者を保有しているが、日本企業は最小限のIT企画要員を配置するのみである。そのため、日本企業が保有するIT技術者は米国企業の10分の1程度となっている〔IT人材育成事業:IT人材白書 IPA 情報処理推進機構〕。また、別の尺度では企業の総従業員に占めるIT部門の正社員比率が3%以下(情報子会社の正社員を含めると4.6%)という調査結果が示されている〔日本企業のIT部門の正社員は全社員の3%以下。それでも「スリムなIT部門」をお望みですか? ダイヤモンド IT&ビジネス〕。企業の情報システム部門の弱体化により、システム内製が困難になり、コスト高になっても外部委託せざるを得ない企業が増加している。また、内部統制・監査対応やサイバー攻撃対策、データ分析、情報技術分野の研究開発等、情報システム部門に求められる役割が広範になり、伝統的なシステムインテグレーションに留まらない戦略的な視点が求められるようになった。これらの新しいミッションに備えるため、情報システム部門の再組織化が急務となっている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「情報子会社問題」の詳細全文を読む
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