|
意思決定支援システム(いしけっていしえんシステム、Decision support system;DSS)とは、コンピュータを利用した情報システムの一種で、その名の通り企業や組織の意思決定を支援する。組織の経営・運用・計画などに使用され、素早い対応が必要とされ事前には容易に推定できない意思決定を支援する。意思決定支援システムは完全のコンピュータ化されている場合と人間との協調で動作する場合がある。稀にコンピュータが関わらない意思決定プロセスについても意思決定支援システムと呼ぶこともある。 DSSにはエキスパートシステムが含まれる。適切に設計されたDSSは対話型ソフトウェアをベースとしたシステムで、生のデータ、文書、個人的知識、ビジネスモデルなどから有益な情報を集めるのを助け、意志決定者が問題を特定し意思決定するのを支援する。 意志決定支援アプリケーションが収集して提示する情報には次のようなものも含まれる。 * 情報資産の一覧(データソース、データキューブ、データウェアハウス、データマートなどを含む) * 各期の売上高が比較できるデータ * 製品販売推定に基づく計画上の収益数値 == 歴史 == 包括的定義はないが、DSS の歴史を見てみよう。意思決定支援という概念は2つの研究から生まれた。ひとつは1950年代末期から1960年代初期にカーネギー工科大学でなされた組織的意思決定の理論的研究である。もうひとつは1960年代にマサチューセッツ工科大学で行われた研究に端を発する対話型コンピュータシステムの技術的成果である。1970年代中ごろにはDSSは独自の研究領域を形成するようになり、1980年代には産業への応用が始まった。1980年代中盤以降、シングルユーザーのモデル駆動型DSSから、経営情報システム (EIS)、グループ意思決定支援システム (GDSS)、組織意思決定支援システム (ODSS)などが生まれた。 DSSの定義と範囲は徐々に変化してきた。1970年代にはDSSは「意思決定を支援するコンピュータベースのシステム」と説明されていた。1970年代終盤になると「間違って構造化された問題を解決するべく、意思決定者がデータベースとモデルを利用するのを支援する対話型のコンピュータシステム」とされるようになった。1980年代には「経営上および専門的な活動の有効性を高めるべく、適切で入手可能なテクノロジーを使う」システムを提供するべきだとされた。1990年代末にはDSSは知的ワークステーションの設計という新たな課題に直面するようになった〔。 1987年、テキサス・インスツルメンツはユナイテッド航空の Gate Assignment Display System (GADS) を開発した。この意思決定支援システムは、旅行の際に空港での手続きにかかる時間を大幅に短縮したと言われ、シカゴのオヘア国際空港とコロラド州デンバーのステープルトン空港でまず導入された。 1990年代初期、データウェアハウスやOLAPが DSS の役割も果たすようになってきた。2000年ごろには新たなウェブベースの解析アプリケーションが生まれた。 報告技術の進歩により、DSSは経営管理設計の重要なコンポーネントとなってきた。例えば、教育環境におけるDSSについての議論は非常に盛んになっている。 DSSは、ハイパーテキストにも若干関連している。バーモント大学のPROMISシステム(医療意思決定支援)やカーネギーメロンのZOG/KMSシステム(軍事および商用意思決定支援)は、意思決定支援システムであると同時にユーザーインタフェース研究においても重要な意味を持つ。さらにハイパーテキストの研究者は情報オーバーロードとの関連で語られることが多いが、ダグラス・エンゲルバートなどは意思決定支援にも注力していた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「意思決定支援システム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|