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『愚管記』(ぐかんき)は、南北朝時代の公卿・近衛道嗣の日記。『道嗣公記』(みちつぐこうき)・『後深心院関白記』(ごしんしんいんかんぱくき)とも称する。『愚管記』の名は記主の道嗣自身が付けた謙称である。記録期間は、右大臣在職中の文和元年(1352年)から薨去4年前の永徳3年(1383年)までの約32年間に及ぶが、文和年間は特定行事に関する別記のみであること、貞治2年(1363年)・同4年(1365年)・永徳2年(1382年)などを欠くことを除けば、ほぼ通年で揃っている。 日々の記事は簡略で、その内容は、室町幕府の動向を始め、南朝との交渉関係、山門と禅宗の対立、年中行事、世相の様子など多岐に亘る。『後愚昧記』・『師守記』と並んで北朝後期の公家社会を知る上での根本史料だが、摂関家にはこの日記より残っていないため、当時の摂関家の様相を考える手掛かりも多い。 自筆原本は巻子装で、その大部分に当たる49軸(日記47軸・部類記1軸・抄録1軸)が陽明文庫に所蔵され、一括して重要文化財に指定されている他、若干の断簡が伝存する。記事は当年の具注暦行間の余白や継紙に記入されたものが多い。主な写本としては、近衛政家による抄出本2軸や近衛家熙による新写本(予楽院本)26冊があり、何れもやはり陽明文庫に所蔵される。翻刻された刊本には、新写本を底本としたものが『文科大学史誌叢書』(全12冊)や『増補続史料大成』(全4冊)に、原本を底本としたものが『大日本古記録』(既刊5冊、続刊中)に収録される。なお、原本(一部抄出本)の影印も『陽明叢書 記録文書篇4』(全3冊)として既刊である。 == 参考文献 == * 益田宗 「愚管記」(『国史大辞典 第4巻』 吉川弘文館、1984年、ISBN 9784642005043) * 今枝愛真 「<解説>後深心院関白記」(陽明文庫編 『後深心院関白記 (3)』 思文閣出版〈陽明叢書記録文書篇〉、1986年、ISBN 9784784204236) * 益田宗 「後深心院関白記(愚管記)」(橋本義彦ほか 『日本歴史「古記録」総覧 〈古代・中世篇〉』 新人物往来社、1990年、ISBN 9784404017888) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「愚管記」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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