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愛の南京錠(Love padlocks)、恋人たちが永遠の愛の象徴として南京錠をフェンスや門扉、橋などの公共設備にかける儀式である。 その対象となる場所は世界中で増え続けており、鍵をかけるためのモニュメントが特設された土地もあるが、景観を損ねるだけでなく安全性に問題が出る恐れもあることから、世界各地で撤去作業が行われている。1990年代から2000年代の初めにかけてみられるようになった現象で、その起源については定かではないが、セルビアやイタリアなどでは発祥となった伝説や作品まで遡ることができる。 == 歴史 == ヨーロッパではこの現象が2000年代初頭に始まった。例えばパリでは恋人同士の名前をイニシャルで刻んだ南京錠を橋の欄干にかけ、セーヌ川に鍵を投げ捨てて不滅の愛の誓いとした〔。愛の南京錠の起源については諸説あり、この儀式が行われる場所ごとに由来があるが根拠には乏しく、文献もないことがほとんどである。ローマのミルヴィオ橋での愛の南京錠の大流行は、イタリアの作家の2006年の小説 ''Ho voglia di te'' (君が欲しい)とその映画化作品のヒットによるものである(この小説は1992年の小説 ''Tre metri sopra il cielo'' (空より3メートル高い所)の続編にあたる第2作で、1作目は2004年にイタリアで映画化され、この2作目も2007年に映画化されている。また、スペインでも映画化されており、日本でも1作目は『空の上3メートル』、2作目は『その愛を走れ』の題でDVDが発売されている)。 同様にセルビアにある橋(この習慣にちなんで「愛の橋」と名づけられたモスト・リュバヴィ)についても、第二次世界大戦以前にまで遡ることができる。地元のヴラニスカ・バニャ出身のナーダという女教師は、セルビア人士官リルジャと恋におちた。互いに愛を誓い合った二人だが、リルジャはその後ギリシャへ行き、そこでコルフ島生まれの女性と恋をする。結果的にリルジャとナーダは破局し、ナーダはこの辛い経験から立ち直ることはないまま、しばらくして亡くなった。そして恋を成就させたいヴラニスカ・バニャの少女たちは、リルジャとナーダが逢い引きに使っていた橋の欄干に自分と恋人の名前を書いた南京錠をくくりつけるようになったといわれている。 台湾の豊原駅の鉄橋には対になった南京錠がいくつもかけられている。地元では「願いの鍵」として知られており、下を通る電車によって発生した磁場が鍵に蓄えられるエネルギーを産み出し、願いを叶えるという伝説が語られている。 日本では神奈川県湘南平公園のテレビ塔をめぐるフェンスがこの愛の南京錠をかける場所として知られている〔。一説によるとこの習慣は1991年ごろに始まるとされるが、そもそもなぜ南京錠なのかを含めてはっきりとしたことはわかっていない。美観を損ねるという理由から公園側が撤去作業を続けたため、愛の南京錠が付けられる箇所が江ノ島に移ったといわれている〔 pp.24-25〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「愛の南京錠」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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