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懐中時計 : ウィキペディア日本語版
懐中時計[かいちゅうどけい]

懐中時計(かいちゅうどけい、英語:pocket watch)は、ポケットやカバンなどに入れて持ち歩く小型の携帯用時計である。
== 概要 ==

=== 外面 ===
丈夫さとかさばらない手頃な大きさの懐中時計は腕時計が登場するまでは携帯時計の代表として長い間、世界中で使用されてきた。多くの場合文字盤アナログ式で組紐などで竜頭のフック部と衣服を結着して落下を防止し時計本体は衣服のポケットに収納して携帯するようになっているものが基本形であり、大きく分けて以下のような外面上の区別がある。用途や製作側や愛用者の個性により竜頭の位置が12時の位置だったり、3時の位置だったり、6時の位置だったりすることがある。
;オープンフェイス
:蓋のない、最も標準的なスタイルの懐中時計。
;ハンターケース
:懐中時計を保護するための金属等の上蓋が付いているもの。蓋が文字盤側だけに付いているものと背面にも上蓋が取り付けられ、ちょうど二枚貝の中に懐中時計を収めたような外観の防護性の高いものがある。上流階級のスポーツである狩猟において落馬などにより懐中時計を壊しやすかったため、ガラス(日本では風防という)を保護する蓋を取り付けたことからこの名が付いている。欧州の貴族階級の実態を知らない日本では「猟師の発案で」との説明を見かけるが、当時の社会で労働者階級たる猟師が高価な懐中時計を持てるはずもなかった。多くの場合、竜頭が開閉ボタンを兼ねていて押し込むことで蓋が開く仕様になっている。年月を経るに従い屋外活動に際して時計を守るためという本来の目的から離れ、華麗で豪華な装飾が施されたものが増え一種の装飾部位として発展していった。竜頭位置の対面に蓋のヒンジがあるものが多く12時に竜頭があるものは蓋が6時方向に開き、3時にあるものは9時方向に開くものが一般的。
;ナポレオン(ハーフハンター、デミハンター)
:ハンターケースの中央部分がドーナツ型に抜けていて(またはガラス張りになっていて)、蓋を閉じた状態でも針の一部が見えるため時刻を読めるようになっているタイプの蓋付き懐中時計の総称。名前の由来はナポレオン・ボナパルトが時間を見るためにいちいち時計の蓋を開けるいとまも惜しいほど多忙だったことから、蓋を閉じたまま時間が分かるハーフハンターの懐中時計を使用していたという逸話から(あるいはナポレオン自身が発案という説もあるが、史実から見てナポレオンが登場する前にすでにデミハンターは存在していた)。
;スケルトン
:あえてケースや文字盤部分にガラスを用い懐中時計の精巧なムーブメント(機械)を鑑賞できる、装飾性能の高い機種。高級品が多いが、近年は廉価な商品にも多く見られるようになってきた。

Image:Spring-cover_pocket_clock3_open_clockface2.jpg|横向きの懐中時計
Image:Taschenuhr_Uhrwerk.jpg|
Image:Taschenuhr_Zwischendeckel.jpg|二重底
Image:Taschenuhr_R%C3%BCckseite.jpg|ハンターケースの彫金


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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