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懲罰椅子 : ウィキペディア日本語版
懲罰椅子(ちょうばついす 英語:cucking-stool)は、中世から近世初期のイングランド及びスコットランドにおいて、口やかましい女(がみがみ女)やふしだらな女性、悪徳商人を懲らしめるために用いた刑具、特に水責めに用いたものを水責め椅子(みずぜめいす 英語:ducking-stool)というcucking-stoolを「懲罰椅子」、ducking-stoolを「水責め椅子」の日本語訳は研究社編『新英和大辞典 第6版』(2002年)による。David Underdown, ‘The Taming of the Scold: Enforcement of Patriarchal Authority in Early Modern England’, in A. Fletcher and J. Stephenson (eds), ''Order and Disorder in Early Modern England'', Cambridge, 1985.。イングランド及びスコットランド以外の地域でも用いられたオックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary)では、ウィーンでふしだらな女の懲罰に用いた例が引かれているし、同様に引用される「ペンシルバニア州では水責め椅子の刑を処することはできない("The punishment of the ducking stool cannot be inflicted in Pennsylvania.") 」という文は、合衆国の他の州のいくつかでは使用できたことを示唆している。 http://oed.com/view/Entry/58195?redirectedFrom=ducking+stool 2012年11月27日参照。がみがみ女や陰口を言う女への懲罰だけでなく、私生児を生んだ女や売春婦への懲罰として、恥辱刑を与える道具として用いられた。また、その他、ミサ後や市の立つ日に罪過を告白させる法廷命令やのような私刑の代替に恥辱刑を課する道具として用いられた。懲罰椅子には決まった型があったわけではない。多くは、単に受刑者を縛り付け家の前や犯行現場に置いた単なる椅子であった。肥やし車(tumbrel)のように車輪を付け、村中を引廻したものもあり、受刑者を水につけるための天秤のような棒を備えたものもあった。==懲罰椅子==1615年頃に記録された「がみがみ女への懲罰(The Cucking of a Scold)」というバラッドでは、行動が「がみがみ女」とされた女性への懲罰の様を以下のように物語る。懲罰椅子(別名:「懺悔の椅子(''Stool of Repentance'')は、アングロ・サクソン族の頃から使われており、当時は、''scealding'' 又は''scolding stool'' と言っていた。ドゥームズデイ・ブックには、チェスターにおいて、''cathedra stercoris''(便座)と呼ばれていたと記録されている。この椅子にくくりつけられた女性―顔と足はむき出しにされている―は、家の前で公衆に晒されたり、野次馬の中で通りをパレードされたりした。 ''cucking-stool'' の語は1215頃には使用されている。古英語で「排便する」を意味する動詞 ''cukken'' (オランダ語''kakken'' やラテン語 ''cacāre'' と同系、ギリシア語 ''κακός/κακή'' (悪い、醜い)参照)を語源とするが、「女房を寝取られた男」を意味する''cuckold'' が語源であると広く信じられている。懲罰椅子は、男女ともにも使用された。違法な結婚をした夫婦を背中合わせに縛りつけ水責めにした例があり、また、不誠実な醸造業者や製パン業者を罰するのに広く用いられた。これらは、16世紀後半にさらに普及する。女性に対する懲罰器具と受け入れられているが、これは単に残った記録の結果である。懲罰椅子は18世紀半ば頃も使用されており、歳時記『プア・ロビン』の1746年版にも以下の言及がある。

懲罰椅子(ちょうばついす 英語:cucking-stool)は、中世から近世初期のイングランド及びスコットランドにおいて、口やかましい女(がみがみ女)やふしだらな女性、悪徳商人を懲らしめるために用いた刑具、特に水責めに用いたものを水責め椅子(みずぜめいす 英語:ducking-stool)という〔cucking-stoolを「懲罰椅子」、ducking-stoolを「水責め椅子」の日本語訳は研究社編『新英和大辞典 第6版』(2002年)による。〕〔David Underdown, ‘The Taming of the Scold: Enforcement of Patriarchal Authority in Early Modern England’, in A. Fletcher and J. Stephenson (eds), ''Order and Disorder in Early Modern England'', Cambridge, 1985.〕。イングランド及びスコットランド以外の地域でも用いられた〔オックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary)では、ウィーンでふしだらな女の懲罰に用いた例が引かれているし、同様に引用される「ペンシルバニア州では水責め椅子の刑を処することはできない("The punishment of the ducking stool cannot be inflicted in Pennsylvania.") 」という文は、合衆国の他の州のいくつかでは使用できたことを示唆している。 http://oed.com/view/Entry/58195?redirectedFrom=ducking+stool 2012年11月27日参照〕。がみがみ女や陰口を言う女への懲罰だけでなく、私生児を生んだ女や売春婦への懲罰として、恥辱刑を与える道具として用いられた。また、その他、ミサ後や市の立つ日に罪過を告白させる法廷命令やのような私刑の代替に恥辱刑を課する道具として用いられた。
懲罰椅子には決まった型があったわけではない。多くは、単に受刑者を縛り付け家の前や犯行現場に置いた単なる椅子であった。肥やし車(tumbrel)のように車輪を付け、村中を引廻したものもあり、受刑者を水につけるための天秤のような棒を備えたものもあった。
==懲罰椅子==
1615年頃に記録された「がみがみ女への懲罰(The Cucking of a Scold)」というバラッドでは、行動が「がみがみ女」とされた女性への懲罰の様を以下のように物語る。
懲罰椅子(別名:「懺悔の椅子(''Stool of Repentance'')は、アングロ・サクソン族の頃から使われており、当時は、''scealding'' 又は''scolding stool'' と言っていた。ドゥームズデイ・ブックには、チェスターにおいて、''cathedra stercoris''(便座)と呼ばれていたと記録されている。この椅子にくくりつけられた女性―顔と足はむき出しにされている―は、家の前で公衆に晒されたり、野次馬の中で通りをパレードされたりした。
''cucking-stool'' の語は1215頃には使用されている。古英語で「排便する」を意味する動詞 ''cukken'' (オランダ語''kakken'' やラテン語 ''cacāre'' と同系、ギリシア語 ''κακός/κακή'' (悪い、醜い)参照)を語源とするが、「女房を寝取られた男」を意味する''cuckold'' が語源であると広く信じられている。
懲罰椅子は、男女ともにも使用された。違法な結婚をした夫婦を背中合わせに縛りつけ水責めにした例があり、また、不誠実な醸造業者や製パン業者を罰するのに広く用いられた。
これらは、16世紀後半にさらに普及する。女性に対する懲罰器具と受け入れられているが、これは単に残った記録の結果である。懲罰椅子は18世紀半ば頃も使用されており、歳時記『プア・ロビン』の1746年版にも以下の言及がある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「懲罰椅子(ちょうばついす 英語:cucking-stool)は、中世から近世初期のイングランド及びスコットランドにおいて、口やかましい女(がみがみ女)やふしだらな女性、悪徳商人を懲らしめるために用いた刑具、特に水責めに用いたものを水責め椅子(みずぜめいす 英語:ducking-stool)というcucking-stoolを「懲罰椅子」、ducking-stoolを「水責め椅子」の日本語訳は研究社編『新英和大辞典 第6版』(2002年)による。David Underdown, ‘The Taming of the Scold: Enforcement of Patriarchal Authority in Early Modern England’, in A. Fletcher and J. Stephenson (eds), ''Order and Disorder in Early Modern England'', Cambridge, 1985.。イングランド及びスコットランド以外の地域でも用いられたオックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary)では、ウィーンでふしだらな女の懲罰に用いた例が引かれているし、同様に引用される「ペンシルバニア州では水責め椅子の刑を処することはできない("The punishment of the ducking stool cannot be inflicted in Pennsylvania.") 」という文は、合衆国の他の州のいくつかでは使用できたことを示唆している。 http://oed.com/view/Entry/58195?redirectedFrom=ducking+stool 2012年11月27日参照。がみがみ女や陰口を言う女への懲罰だけでなく、私生児を生んだ女や売春婦への懲罰として、恥辱刑を与える道具として用いられた。また、その他、ミサ後や市の立つ日に罪過を告白させる法廷命令やのような私刑の代替に恥辱刑を課する道具として用いられた。懲罰椅子には決まった型があったわけではない。多くは、単に受刑者を縛り付け家の前や犯行現場に置いた単なる椅子であった。肥やし車(tumbrel)のように車輪を付け、村中を引廻したものもあり、受刑者を水につけるための天秤のような棒を備えたものもあった。==懲罰椅子==1615年頃に記録された「がみがみ女への懲罰(The Cucking of a Scold)」というバラッドでは、行動が「がみがみ女」とされた女性への懲罰の様を以下のように物語る。懲罰椅子(別名:「懺悔の椅子(''Stool of Repentance'')は、アングロ・サクソン族の頃から使われており、当時は、''scealding'' 又は''scolding stool'' と言っていた。ドゥームズデイ・ブックには、チェスターにおいて、''cathedra stercoris''(便座)と呼ばれていたと記録されている。この椅子にくくりつけられた女性―顔と足はむき出しにされている―は、家の前で公衆に晒されたり、野次馬の中で通りをパレードされたりした。 ''cucking-stool'' の語は1215頃には使用されている。古英語で「排便する」を意味する動詞 ''cukken'' (オランダ語''kakken'' やラテン語 ''cacāre'' と同系、ギリシア語 ''κακός/κακή'' (悪い、醜い)参照)を語源とするが、「女房を寝取られた男」を意味する''cuckold'' が語源であると広く信じられている。懲罰椅子は、男女ともにも使用された。違法な結婚をした夫婦を背中合わせに縛りつけ水責めにした例があり、また、不誠実な醸造業者や製パン業者を罰するのに広く用いられた。これらは、16世紀後半にさらに普及する。女性に対する懲罰器具と受け入れられているが、これは単に残った記録の結果である。懲罰椅子は18世紀半ば頃も使用されており、歳時記『プア・ロビン』の1746年版にも以下の言及がある。」の詳細全文を読む



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