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戦争マラリア[せんそう―]
戦争マラリア(せんそう―)とは、第二次世界大戦時、沖縄県において疎開した一般住民がマラリアに罹患して多数が死亡したことを指す言葉。波照間島では集団罹患が発生した。 == 概要 == 沖縄県の八重山諸島では古くからマラリアの発生する地域がいくつかあることが知られ、琉球王国時代からその地域に強制移住が行われては全滅する、という歴史があった。特に石垣島の北側(裏石垣)と西表島はその意味で恐れられた地域である。現在ではマラリアは一掃されているが、第二次世界大戦時にはまだ発生地域は多かった〔八重山のマラリア撲滅運動は大正末期の1922年ころに始まり、断続的な活動の後、ほぼ撲滅されたのは1953年(昭和28年)ころのことで、最後の患者が出たのは1963年である。〕。 第二次世界大戦時、沖縄本島周辺では非常に激しい戦闘が行われたが、八重山諸島においては上陸作戦は行われず、空襲や艦砲射撃による攻撃を受けた。その中で、一部地域で住民の疎開が行われ、しかもマラリアの発生する地域に疎開が行われたために、多くの人がマラリアに罹患し、多くの死者を出した。これが戦争マラリアと呼ばれる所以である。マラリアは戦争中の物資や人間の移動、栄養状況の悪化から県内の他地域にも広がり、沖縄県各地で被害者を出したが、八重山では直接の戦争被害よりマラリアの被害が突出している。 さらに波照間島などでは他地域とは別個に西表島への強制疎開が行われ、その結果として高率の感染と多数の死者を出した。これについてはより犯罪的色彩があるとの見方がある〔宮良(2004)、p.175では「軍が軍を守るために住民を犠牲にした、大日本帝国軍の謀略事件」と断じている。〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「戦争マラリア」の詳細全文を読む
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