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戦時交換船 : ウィキペディア日本語版
交換船[こうかんせん]

交換船(こうかんせん)とは、第二次世界大戦当時に、開戦により枢軸国連合国双方の交戦国や断交国に取り残された外交官や駐在員、留学生などを帰国させるために運航されたのことである。戦時交換船抑留者交換船などとも呼ばれる。
== いきさつ ==
1941年12月8日日本イギリスオランダアメリカオーストラリアなどのイギリス連邦諸国を含む連合国と開戦した。両陣営において、開戦により交戦国や断交国に残された外交官や民間人(企業の駐在員や宗教関係者、研究者留学生とそれらに帯同した家族など)の帰国方法が問題になった。
しかし、開戦後に両陣営の国家同士の国交が断絶され、それぞれの国に駐在する外交官の資格が停止されたことに伴い、政府間の直接交渉が不可能になったことから、まずアメリカの国務省が、12月17日中立国であるスイスを経由して日本の外務省に交換船の運航を打診し、その後、スイスやポルトガルスウェーデンなどの中立国を通じて日本とイギリス、アメリカの各外務省担当者が交渉を行った〔『日米交換船』鶴見俊輔・加藤典洋・黒川創(新潮社、2006年3月)〕。
その結果、1942年5月に両陣営の間で残留外交官と残留民間人の交換に関する協定が結ばれ、日本(とその占領地と植民地、ならびに満州国タイなどその同盟国)とアメリカ(とブラジルカナダなどその近隣の同盟国)の間については1942年6月と1943年9月の2回、日本とイギリス(とその植民地、ならびにオーストラリアやニュージーランドなどのイギリス連邦諸国)との間については1942年8月の1回、合計3回の交換船が運航されることになった。
またこれとは別に、1945年に日米間のみで新たな協定を結び、中立国を通じて交渉を行い同年8月以降に3回目の交換船を運航する予定であったが、同年8月15日の日本の連合国に対する敗戦と戦闘停止を受けて中止となった〔『ベルリン特電』江尻進(共同通信社、1995年)〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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