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戦闘旗(せんとうき Battle ensign)は、戦闘状態にあることを示すために、軍艦のマストに掲揚される軍艦旗およびその掲揚された状態を意味する。 == 概要 == 軍艦旗(ensign)は各海軍の所属艦船であることを示す旗章であり、平時の航海時には艦尾ないし斜桁(ガフ)に掲揚している〔旧海軍旗章令 〕〔FLAGS, PENNANTS & CUSTOMS 〕〔海上自衛隊旗章規則 〕。 他方、近世の海戦時においては、近距離での戦闘が主であり、掲げられた旗により敵味方の識別を行なった。敵味方の識別を容易にするほか、乱戦や濃霧、火砲による爆煙による視界不良時でもできる限り識別しやすくするために、戦闘時には(メイン)マストに旗を掲げるようになった。これが戦闘旗であり、このため通例大型の旗が用いられる。具体的な例として17~18世紀の大英帝国海軍の軍艦には縦6m横12mの戦闘旗が付けられていた。戦闘旗を掲げている限り、その軍艦は戦闘状態にあるとみなされる。軍艦が戦闘に負けて降伏する場合、その意思を示すものとして戦闘旗をマストから降ろすことが行なわれる。通例、軍艦は戦闘旗を複数掲げる〔(旧日本)海軍旗章令第 30 絛 艦船合戦準備を行ひたるときは前絛の規程に拘らず常に軍艦旗を掲揚すべし 艦船戦闘中は前項に規定するものの外檣頂に軍艦旗一旒を掲揚するを例とす〕ことで、戦闘中に旗が弾丸を受けて無くなり相手方に降伏したものと誤解されることを防いでいる。 部隊が敗北してもなお、完全に無力化されるまで徹底的に抗戦するという意思を表すために戦闘旗を掲げ続けることもある。第二次世界大戦中にドイツ海軍のビスマルクはイギリス海軍によって追撃され全火砲が破壊された後、さらに沈没する時にもマストには戦闘旗がはためいていた。 戦闘旗は兵員の士気を高める大切な要素であり、敬意を持って掲揚される。通例艦船が撃破され総員退去(退艦)命令が下されると戦闘旗は沈没前に撤収され、生存している最も上位かつ先任の士官(先任将校。最低でも少尉)に託される。 軍艦旗ではなく、国旗を戦闘旗として用いるケースもある。特別な戦闘旗が掲げられることもあり、その例として1813年のエリー湖の戦いで米国海軍の船に取り付けられていたものがそれである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「戦闘旗」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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