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手すり子[てすりこ]
手すり子またはバラスター(baluster)は、共通の基礎の上に立ち、階段などの手すりや欄干の笠木(手でつかむ横板状の部分)を支持する柱状の装飾的構造で、角柱、円柱、回転体などの形状があり、石や木材、時には金属でできている〔擬石製の手すり子は18世紀イギリスで開発された。鋳鉄製の手すり子は1840年代に発展した。〕。"baluster" はOEDによると「石榴の花」を意味する ''balaustra'' に由来し、半分開きかけた蕾に形状が似ているためにそのように名付けられたという〔Paul Davies and David Hemsoll, "Renaissance Balusters and the Antique", in ''Architectural History'' 26 (1983:1-23, 117-122) 〕。手すり子が複数並んだ欄干を英語では "balustrade" と呼ぶ〔"A row of balusters surmounted by a rail or coping" 1644. ''OED''; 〕。以降で欄干と言っているのは全て手すり子を使った "balustrade" である。家具の足、シャンデリアの真鍮製の軸、銀の燭台など、回転体の形状の装飾を "baluster shaft" と呼ぶこともある。 == 概要 ==
初期の例としてアッシリアの遺跡から出土した薄浮彫りに描かれたものがあり、窓の欄干に使われていて見た目はイオニア式柱頭に似ている。建築要素としての欄干は古代ギリシアや古代ローマでは知られていなかったが〔Wittkower 1974〕、手すり子の形状が椅子やテーブルの脚に使われていたことはローマの薄浮彫りでわかる〔Davies and Hemsoll 1983:2.〕。独特の形状の脚や回転体形状の青銅製のもの、古風な大理石の枝付き燭台など、球根状や円盤状の形状を積み重ねたようになっており、15世紀のデザイナーにはよく知られていた。このような形状が建築によく使われるようになったのはルネサンス初期のことである。15世紀末の例としては、ヴェネツィアやヴェローナの宮殿のバルコニーに見られる。それら15世紀の欄干の様式がまだ定まっていなかったゴシック建築の先駆けとなった。小柱(コロネット、colonnette)〔"colonnette" は小型の円柱で、装飾的に用いられるもの〕による欄干は、小振りのアーチ飾りの代替として生まれた。Rudolf Wittkower は欄干の発明者についての判断を控えたが〔H. Siebenhüner は手すり子の歴史を調べ、その起源を1460年作のドナテッロの「ユーディットとホロフェルネス」の土台の形状だとした。(Siebenhüner, "Docke", in Reallexikon zur Deutsche Kunstgeschichte'' vol. 4 1988:102-107)〕、ジュリアーノ・ダ・サンガッロが早くから欄干を建築に取り入れたとしている。サンガッロは1480年ごろに建設したポッジョ・ア・カイアーノのメディチ家別荘でテラスや階段に欄干を一貫して採用し〔Davies and Hemsol 1983 では、絵画における空想上の古典建築の欄干の初出についても言及している。また、実際の建築における初期の欄干として、ルチアーノ・ラウラーナが設計した Palazzo Ducale, Urbino の正面を挙げている。(p. 6 and pl. 3j).〕、古典建築の復元にあたっても欄干を使った。そして重要な点は、このモチーフをブラマンテ(1502年のテンピエット)やミケランジェロが受け継ぎ、16世紀には欄干が広く採用されるようになった。Wittkower は、球根状の花瓶のような形状を逆さに重ね、間にクッションのようなトーラスまたは窪んだ輪を挟んだ上下対称なものと、他の単純な花瓶状のものを区別した。後者はミケランジェロがカンピドリオ広場の階段(1546年ごろ)に採用した。Wittkowerによれば、それ以前の最初期のびん状手すり子が Santa Maria delle Grazie(1482年ごろ)の欄干やアクイレイア(1495年ごろ)やパルマの聖堂の手摺、バチカンの中庭、ロレートの Santa Casa などに見られる〔これらは Davies and Hemsol 1983:7f でも参照されている〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「手すり子」の詳細全文を読む
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