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手掌おとがい反射[しゅしょうおとがいはんしゃ] 手掌頤反射 (しゅしょうおとがいはんしゃ) は、ヒトの原始反射の一つで、母指球 (親指のつけねのふくらみ) を刺激すると、オトガイ筋の収縮が見られる現象。前頭葉解放徴候 (正常成人では前頭葉の働きによって抑制されているが、何らかの理由で前頭葉に障害が生じ、抑制が外れた状態になると出現する徴候) のひとつでもある。1920年、ハンガリーのマリネスコ (en)とRadoviciが、若年の筋萎縮性側索硬化症患者について初めて報告した。これにちなみ、Marinesco-Radovici徴候とも呼ばれる。 == 手技と評価 == 母指球を鍵の先端などの棒状のもので近位から遠位 (手首から親指方向) に向けてこすると、同側のオトガイ筋 (おとがいから口角に向かって走行する筋) が収縮するのが、手掌おとがい反射である〔田崎義昭・斎藤佳雄著、坂井文彦改訂『ベッドサイドの神経の診かた』改訂16版、南山堂、2004年、p.84〕〔岩田誠『神経症候学を学ぶ人のために』医学書院、1994年、p.193〕。検査の手技および判定基準には統一性がなく、様々な方法が提案されている (表1参照)。また出現の仕方 (同側性、体側性、両側性) と病変の局在は一致しない〔。
正常な人でも出現することはあるが、オトガイ筋の収縮は弱く短時間で、繰り返し刺激で減衰する。一方病的な場合は筋収縮が強く、長時間続き、また繰り返し刺激でも誘発され続ける。さらに、病的な場合は、母指球以外の場所、例えば小指球、前腕、胸部、腹壁あるいは尿道カテーテルの刺激でもこの反射が誘発される〔。 小児の場合、早産児ではどのような状態 (覚醒、睡眠時、昏睡状態など) でもほぼ必発である。満期産の場合でも、生後数日ならほとんどの場合で誘発され、1歳から2歳にかけては60%程度、以後徐々に減って9歳から14歳までに消失するとの報告がされている〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「手掌おとがい反射」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Palmomental reflex 」があります。
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