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手紙を書く婦人と召使[てがみをかくふじんとめしつかい]
『手紙を書く婦人と召使』(てがみをかくふじんとめしつかい、、)は、オランダ黄金時代の画家ヨハネス・フェルメールが1670年から1671年ごろに描いた絵画。キャンバスに油彩で描かれた作品で、ダブリンのアイルランド国立美術館が所蔵している。中流階級の女性と、この女性のおそらくは恋人宛の手紙を届けるために、手紙を書き終えるのを待っている召使いの姿が描かれた作品である。1660年代にフェルメールが描いた静謐で抑制的、内省的な絵画と、1670年代に描いた比較的気取った絵画との橋渡し的な作品であると見なされている。 ==解釈== 『手紙を書く婦人と召使』はフェルメールが新機軸を試みた作品で、絵画の中心点が複数存在する構成で描かれている〔Wheelock, p. 116〕。また、作品が持つ物語性が一人の人物像のみに集中していない3点目の作品でもある〔Bonafoux, p. 124〕。座った女性の背後に描かれた召使いは、画面構成上は中景に当たる場所で、腕組みをしながら女性が手紙を書き終えるのを待っている。それぞれが配されている位置は、この両者が互いをあまり気に留めてないことを意味している。召使いの組んだ腕は自身の感情を抑えようとしているようにも見えるが、主人たる女性に対しては何の注意も払っていない〔。窓の外に向けられた召使いの視線は内心の苛立ちと退屈を意味し、自身が届けに行かなければならない手紙の書き終りを待っているという自分の立場に、不満を抱いていることを示唆しているとされる〔Pollock, p. 215〕。ただし、このような解釈に懐疑的な美術史家もいる。パスカル・ボナヒュー(Pascal Bonafoux)は、共謀を示唆するのは二人の女性が交わす意味ありげな「目線や微笑」だけではないとする。そして召使いの思わせぶりな態度が、女性が書いている恋文に関してこの二人が何らかの共犯関係にあることを暗示しているとした〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「手紙を書く婦人と召使」の詳細全文を読む
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