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うちでのこづち(打ち出の小槌、打出の小槌)とは、振ることにより様々なものが出てくるとされる伝説上の槌(つち)。日本の説話や昔話に登場している宝物のひとつである。鬼の持つ宝物であるとされるほか、大黒天(だいこくてん)の持ち物であるともいわれ、富をもたらす象徴として描かれる。 == 概要 == 欲しいもの、願い事を唱えて振ると願いどおりの物があらわれる効果を持つ。隠れ蓑、隠れ笠と並び称されており、福を招く宝物であるとされる。 室町時代に書かれた『御伽草子』のひとつである『一寸法師』では、姫を襲った鬼がこのうちでのこづちを所持しており、一寸法師によって退治された際にこれを落としてゆく。一寸法師は姫に「大きくなれ」とこづちを振ってもらって体を大きくしてもらい、立派な武士として身を立てる結末となっている〔島津久基校編『お伽草子』岩波文庫 1936年 156頁〕。現在、一般に流布している昔話としての一寸法師でも同様にうちでのこづちが一寸法師を大きくするために使われる面が大きくあつかわれているが、『御伽草子』では背を大きくしたり、金銀を出したりする以外に、鬼を退治したあとの疲れをとるために次々とおいしそうな飯を出すなどの効果も発揮しており〔、その用途は幅広い。 平安時代末期〔『日本大百科全書』(1985年版)では「鎌食初期」とあるが、後の版では「康頼宝物集〔1197年頃〕上」を挙げる〕の仏教書『宝物集』には、打ち出の小槌は宝物だけではなく牛や馬、食物や衣服など心のままにすべて出現させる事が出来るが、打ち出した物はまたこれすべて鐘の音を聞くと失せ果せる物であり、結局は現世に実在する宝物と言えるべきものではないという内容の説話を収録している。 うちでのこづちは、日本において大国主(おおくにぬし)の神と同一視されるようになった大黒天の持ち物であるといわれ、大黒天像は槌を持った姿で製作されることが多い〔川口謙二 『日本の神様読み解き事典』 柏書房 1999年 ISBN 4-7601-1824-1 387頁〕〔。しかし、どのような記述によって大黒天が槌を持つ姿が製作されるようになったのかは明確ではない〔権田雷斧 『仏像図鑑』上巻<復刻版> 八幡書店 2000年 ISBN 4-89350-283-2 136頁〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「うちでのこづち」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Uchide no kozuchi 」があります。 スポンサード リンク
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