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捕手 : ウィキペディア日本語版
捕手[ほしゅ]

捕手(ほしゅ)または、キャッチャー (英:''catcher'') とは、野球ソフトボールにおいて投手の投球を受ける役割の選手である〔公認野球規則2.16〕。守備番号2。英略字はC(catcherから)。常にスターティングメンバー入りする捕手は特に正捕手(せいほしゅ)と呼ばれる。慣用句的に投手を支えるという意味から「女房役」、その連想から正捕手のことは「正妻」、または守備位置から「の要」と表現される事もある。なお、捕手が野手に含まれるのは広義の場合に限られている。クリケットではウィケットの前を陣取ることからウィケットキーパーまたはキーパーと呼ばれる。
== 概要 ==
捕手以外の野手は投手が投げるまではフェアグラウンド上に守備位置を取ることと定められているが、捕手は野手の中で唯一ファウルグラウンドに守備位置が定められており、投手や野手とは逆の方向を向いて守備する。投手が投球動作を始め、その手からボールが離れるまで、捕手はファウルグラウンドに設けられたキャッチャーボックスに位置している必要がある。
捕手が他の野手と比較して大きく異なる点の一つに、マスクチェストプロテクターレガースなど防具を身に付け、投球を受けるために専用のキャッチャーミットを着用する点が挙げられる。これは、投球(ときとして投手の暴投)やファウルチップなどが身体に当たった際の怪我を防ぐためである。また慣用句的に「捕手として試合に出場すること」を「マスクを被る」、ないしは単に「マスク」と呼ぶこともある。防具を装備しているとはいえ、ファウルチップやクロスプレーで故障する可能性が高いポジションである〔織田 (2002, pp.161 - 172)〕。また、「投手の的」としての役割があることから、大柄でがっちりとした体形の選手が務めることが多い〔織田 (2002, p8, p56)〕。
通常は右投げの選手が起用されるポジションであり、左投げの捕手は非常に稀である〔プロ野球に在籍した左投げの捕手には、1884年から1900年にフィラデルフィア・フィリーズに所属していたジャック・クレメンツが居る。〕〔二宮清純「唯我独論」 第679回 プロの左投げ捕手、現れても不思議じゃない 2015年2月18日(2015年6月25日閲覧)。〕。これは、野球は競技人口に右打者が多いため左投げでは二塁や三塁への送球時に打者が邪魔になり送球しにくく特に三塁送球時は体をひねる無理な体勢となるため送球に支障がでる、本塁へ帰ってくる走者との交錯時に利き腕である左腕側から走者が突入してくるためタッチが遅れる上に故障の危険を伴う、送球のために半身になると一塁側が見づらい〔などの理由に加え、そもそも肩が強い・ピッチングが組み立てられるなどの資質がある左投げの選手はまずは投手として育成されるのがほとんどであり〔例外としてベーブ・ルースは肩の強さを買われ、左投げでありながら捕手として野球を始めた〕、小中学校の段階で左投げ捕手の道はほぼ断たれるのが現状であるからである。用具面でも、左投げ用のキャッチャーミットに既製品が無く特注になる、チェストプロテクターの多くが右肩部分は可動だが左肩部分は固定されている、など障壁となっている。ただし、左打者が増えた環境下では、肩が強ければ左投げ捕手も務まりうる、という見方もある〔。(スローピッチ)ソフトボールでは、クロスプレーや盗塁が禁止されているため左投げの捕手でも支障は無い。
ベンチ入りする捕手の数は少なく、一般に2人から3人である。ただし、どの試合でもベンチ入り捕手を全て使うようなことは稀である。前述の通り、専門的な技術を要するために他の野手にはなかなか務まるものではなく、負傷退場などの最悪の事態に備えて最低1人は交代要員を残しておくためである。一方で、控え捕手までもが負傷退場するなどして守備につける捕手がいなくなった場合に備えて、本来は捕手ではないが過去に捕手の経験のある選手が、試合前などに捕手としての練習をするケースもある〔実際に捕手経験があった木村拓也は、2009年9月4日の試合において、控え捕手がいなくなったため延長12回に捕手を務めた。木村は捕手としての出場の可能性があると感じて試合中にブルペンで捕球練習をしていた。〕。
また、ブルペンで投手の投球練習を補佐する専門の捕手をブルペン捕手という。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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