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模刻[もこく]
模刻(もこく)とは、書道において、書蹟を石や木に模写して彫りつけ、保存・鑑賞・学書用の書蹟「法帖」を制作すること。「刻」(「」は「募」の「力」を「手」に換えた字)とも書く。 ==概要== 模刻は紙に書かれた書蹟を保存する時に行われるもので、石や木に原本の文字を精巧に模写し、これをたがねやのみによって彫りつける。この際字は鏡文字にはせず、原本そのままの向きで彫る。つまり、紙から石や木への媒体変換を行い、保存と鑑賞に供するのがこの方法である。ただし刻まれた石や木そのものが用いられることはなく、拓本を適宜採って用いる。書道の書蹟で、時折元が碑でもないのに拓本になっているものがあるのはこのためである。 このような保存・鑑賞・学書に適した形に仕立て上げられた、多く模写や複製による書蹟を「法帖」というが、特に模刻によるものを「刻帖」、対して紙に直接筆記・模写したものを「墨帖」と呼ぶこともある。 中国独自の書蹟保存・享受法であり、同じ書道文化を持つ日本などではほとんど見られない。これには中国で、記録保存には金石文を用いるのが最適と考えられていたことがある。石や木を単なる一媒体ではなく、特に保存性に優れたものとして認識していた。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「模刻」の詳細全文を読む
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